バイナンスの「Binance Web3 ウォレット」、ERC404トークンのサポート開始

Binance Web3 ウォレットがERC404トークンのサポート開始

大手海外暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)提供の「Binance Web3 Wallet」が、「ERC-404」規格トークンのサポート開始を2月23日発表した。

「ERC-404」は、「ERC-20」のような代替可能なトークン(FT)と「ERC-721」等によるNFT(非代替性トークン)を融合したトークン規格。一定以上のFTを保有することで自動的にウォレットにNFTが生成(ミント)され、一定量を下回ると自動的にNFTが焼却(バーン)されるという仕組みを持つ。

これによりNFTを分割してFTとして取り扱うことが実質的に可能となる。そのためFTとしてDEX(分散型取引所)などで取引が可能となることで、買い手がいないと売却できないNFTの流動性についての問題が解決できる。さらに同銘柄のFTを一定量集めてミントされた各NFTについては、それぞれに価格差がなくなるメリットもある(例:100FTで1NFTがミントされるとすると、1FT価格×100=NFTの価格になる)。

なお現在「ERC-404」はイーサリアム(Ethereum)のコミュニティにより正式な監査がなされておらず、公式には認められていない。そのため現在多くのNFTマーケットプレイスやNFTプラットフォームではサポートされていない。今後開発チームは公式の承認に向けて開発を進めるとのことだ。

また「ERC-404」トークン対応の他「Binance Web3 Wallet」では、「バイナンス・インスクリプションズ・マーケットプレイス(Binance Inscriptions Marketplace)」が開始されたとのこと。

同マーケットプレイスは、ビットコイン「オーディナルズ(Ordinals)」のインスクリプション(NFT)を取引・ミント(鋳造/発行)できるプラットフォームで、「Binance Web3 Wallet」に統合されている。ユーザーは「バイナンス・インスクリプションズ・マーケットプレイス」により、インスクリプションやBRC-20トークン、EVM互換チェーンのインスクリプションを取引・ミントできるとのこと。

また今回は、「Binance Web3 Wallet」でサポートするブロックチェーンが追加されたことが発表されている。

追加されたのはManta、ZetaChain、ZKFair、Scrollの4ネットワークだ。

なお「Binance Web3 Wallet」では、昨年の公開当初より36ものブロックチェーンをサポートしている。

同ウォレットのサイトに記載されている初期対応ネットワークは、Ethereum、BNB Smart Chain、Polygon、Arbitrum One、Optimism、Avalanche C-Chain、Fantom、Polygon zkEVM、zkSync Era、Evmos、Gnosis Chain、Klaytn、Moonbeam、Moonriver、Conflux eSpace、Celo、Acala EVM、Aurora、Callisto、Ethereum Classic、GoChain、IoTeX EVM、Neon、Wanchain、Cosmos Hub、Juno、Kava、Agoric、Akash、Axelar、Native Evmos、Injective、Neutron、Stargaze、Osmosis、Strideだ。

関連ニュース

参考:バイナンス
images:iStocks/Molnia

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した