セブンイレブン出資のグルメアプリ「SARAH」、「ONIGIRI Chain」リリース。アバランチサブネットで

SARAHがONIGIRI Chainリリース

SARAH(サラ)が、食とヘルスケアに特化したレイヤー1ブロックチェーン「ONIGIRI Chain(オニギリチェーン)」のリリースを1月31日発表した。

サラは、グルメコミュニティアプリ「SARAH(サラ)」および外食ビッグデータサービス「FoodDataBank(フードデータバンク)」を運営する企業。飲食店の料理・メニューごとの口コミをアプリで集め、そのデータを企業向けに提供をしている。

また同社は、セブンイレブンジャパンや味の素等の企業から出資を受けており、昨年3月の時点で累計調達額は約11.5億円となっている。

今回サラがリリースした「ONIGIRI Chain」は、AvaLabs(アバラボ)提供の「Avalanche Subnet(アバランチサブネット)」活用により独自開発したブロックチェーンとのこと。

サラは昨年9月、レイヤー1ブロックチェーンAvalanche(アバランチ)開発元のアバラボと提携し、「SARAH」のweb3化を進め、アバランチチェーン上でのトークンやNFTの発行を行うと発表していた。

「ONIGIRI System」について

今回サラはパブリックチェーンとなる「ONIGIRI Chain」の他、同じく「サブネット」でプライベートチェーン「OMOCHI Chain(オモチチェーン)」も開発し、2つのブロックチェーンを組み合わせた「ONIGIRI System(オニギリシステム)」を構築したという。なお

「オニギリシステム」では、同システムに参加する「サラ」を始めとするグルメアプリやヘルスケアアプリ事業者が、「OMOCHI Chain」に口コミなどのユーザーから取得したデータを書き込む。このプライベートチェーンに保存されたデータは、「OMOCHI Chain」のバリデーターのみが閲覧・使用が可能になっている。

これにより、アプリから収集した食やヘルスケアに関するデータを秘匿化し、非公開情報としてバリデータ企業がデータを活用することが可能だ。

なお情報を書き込むアプリ企業がバリデータを担うことで、他社のアプリとのデータ連携も可能になる。例えば、グルメアプリで得られた喫食データをもとにヘルスケアアプリでユーザーに対してレコメンドを行うなど、「オニギリシステム」によりこれまでになかった新たな価値の創出が可能になるとのことだ。

また「OMOCHI Chain」への情報書き込みによる報酬提供は「ONIGIRI Chain」が担っているという。

「OMOCHI Chain」に書き込まれたデータは「Avalanche Warp Messaging」によって、「ONIGIRI Chain」に内容が公開されることなく通信され、「ONIGIRI Chain」は通信を受けた分の独自トークン「ONGR」発行する。同システムでは、それを口コミデータを提供したグルメアプリ等へ報酬として提供する仕組みになっている。

ちなみに両チェーンではガス代(トランザクション手数料)が無料となっているとのこと。

サラ取締役CSOの酒井勇也氏に取材したところ、今後発行する「ONGR」をステーキングすることで事業者だけでなく、個人でも「ONIGIRI Chain」のバリデーターになることが可能とのこと。

ただしプライベートチェーンとなる「OMOCHI Chain」のバリデーターについては、許可した事業者のみが「ONGR」をステーキングすることでなれるとのこと。

今後サラは、「ONIGIRI Chain」をグローバルに普及させるために、同エコシステム参加のバリデーターやアプリ事業者、同チェーンを活用したサービス開発など、広くパートナーを募集していくとのことだ。

SARAH取締役CSOの酒井勇也氏のコメント

「オニギリシステム」には、オープンであり、誰でも確認、検証できるから価値が生まれるデータ(NFTのようなアクティビティの証明、FTによる金銭的価値)と、見られてはいけないデータ(飲食履歴やヘルスケア情報などのプライバシーに関わるデータ)の2つがあると考えています。

そのため、パブリックとプライベートの両方のチェーンを作りました。プライベートチェーンにデータが刻まれたら、内容は公開せずに、データを刻んだ証明としてのトークン「ONGR」を発行します。

また「ONGR」は「OMOCHI Chain」に書き込むデータを持たない事業者が、同チェーンのデータを閲覧・使用したい場合に需要があります。「ONGR」は、「OMOCHI Chain」のデータが閲覧できるバリデーターになるために必要なトークンです。データ閲覧を希望する事業者が、データ入力により取得した「ONGR」を保有するアプリ事業者から「ONGR」を購入し、「OMOCHI Chain」のバリデーターになることで同チェーンのデータが閲覧できるようになります。

関連ニュース

参考:ONIGIRI ChainライトペーパーSARAH
images:iStocks/Ket4up

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【9/6話題】テレグラムCEOが逮捕後初の声明、トランプが米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言など(音声ニュース)

テレグラムCEO、逮捕後初の声明発表。同社使命に同意できない国からは撤退の意志も、トランプ、米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言。イーロンマスクと共に米政府財務監査行う姿勢も、スイ(SUI)、機関投資家向け米ドルステーブルコイン「AUSD」利用可能に、モジュラーブロックチェーン「Elixir」、最終テストネット公開、EigenLayer、メジャーアップデート「アイゲンポッドアップグレード」導入、FlowがEVM対応開始、メタマスクでも利用可能に、TONブロックチェーン、総トランザクション数が10億件を突破、半数は3か月、Penpieで27Mドルの不正流出、Pendleは105Mドルの保護に成功

Sponsored

暗号資産決済Mercuryoがマルチチェーンデビットカード提供開始、マスターカードと提携で

暗号資産(仮想通貨)決済プラットフォーム「マーキュリョ(Mercuryo)」が決済大手の米マスターカード(Mastercard)と提携し、ノンカストディアル型のウォレットから暗号資産を直接使えるマルチチェーンデビットカード「スペンド(Spend)」の提供開始を9月5日発表した