日米韓が北朝鮮のサイバー脅威対策強化へ
北朝鮮が偵察衛星の追加打ち上げに意欲を示す中、日米韓3カ国は国家安全保障担当の高官が12月9日にソウルで会談し、核・ミサイル開発の資金源となっている暗号資産(仮想通貨)の不正利用など、サイバー空間における脅威への対応を強化していくことで一致した。
米ホワイトハウスのジェイク・サリバン(Jake Sullivan)大統領補佐官(国家安全保障担当)が明らかにした。
同補佐官は、3カ国首脳が8月に安全保障・経済分野の協力深化を約束したことを受けた対応と説明。「私たちは、サイバー犯罪や暗号資産によるマネーロンダリング(資金洗浄)、無謀な宇宙実験や弾道ミサイル発射実験といった北朝鮮がもたらす脅威に対抗する新たな3国間イニシアチブを立ち上げた」と記者団に語った。
日本の秋葉剛男国家安全保障局長は、北朝鮮の違法なサイバー活動が直近の課題として浮上しているとし、核・ミサイル開発の資金源になっていると指摘した。
北朝鮮の国営メディアは9日、同国が近く偵察衛星をさらに打ち上げる決意だとし、宇宙開発は自国を防衛する権利の一部だと主張した。
韓国大統領府の趙太庸(Cho Tae-Yong)国家安保室長は、協議の中でウクライナと中東問題についても意見交換したことを明らかにした。
サリバン氏によると、ロシアと北朝鮮の軍事協力拡大について話し合い、3氏は北朝鮮がウクライナ戦争でロシアに武器を供給していることを確信したという。
また、韓国大統領府によると、サリバン氏と趙氏はこの日、半導体など重要技術に関する協力を目的とした初の「次世代重要・新興技術(CET)対話」で共同議長を務めた。
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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
日米韓、北朝鮮のサイバー脅威対策強化へ 安保担当高官が会談
Hyunsu Yim Ju-min Park
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