米サークル、ブリッジ「USDC」の標準規格を発表

サークルが「Bridged USDC Standard」発表

「USD Coin(USDC)」等のステーブルコインを発行する米サークル(Circle Internet Financial)が、ネイティブでないブリッジされた「USDC」の標準規格「Bridged USDC Standard」を11月21日に発表した。

「Bridged USDC Standard」は、EVM(イーサリアム仮想マシン)採用のブロックチェーン用のトークン標準規格であり、同規格を採用してブリッジ版として「USDC」を発行することで、「USDC」をネイティブ版にアップグレードすることが容易になる。

これにより新しいネットワークでネイティブ版の「USDC」が発行された時に、そのネットワークで利用されていたブリッジ版の「USDC」を、コードの変更などを行うことなく供給状態、保有者、アプリケーションとの連携などを保持したままネイティブ版に移行が可能になるとのことだ。

現在「USDC」は15のブロックチェーンでネイティブ版が発行されており(下記参照)、それ以外のブロックチェーンではサードパーティーのブリッジプロトコルなどのアプリケーションが独自の設計で「USDC」を発行している。

そのため、ネイティブサポート外のブリッジ版「USDC」は独自に拡張可能であるというメリットを持っているものの、「USDC」をブロックチェーン間で転送する「クロスチェーン転送プロトコル(Cross-Chain Transfer Protocol:CCTP)」には対応できない。

またネイティブ版の「USDC」はサークルが保管する米ドルと1対1で交換できるが、ブリッジ版では交換できないというデメリットもある。

サークルは「Bridged USDC Standard」により、ユーザーがネイティブ版を提供できていないブロックチェーンにて、より安心してネイティブ版の「USDC」を利用可能にすることを目指している。

サークルは最近ネイティブ版「USDC」のマルチチェーン対応およびCCTPのサポートを進めており、11月14日には、11月28日からトークン発行プロトコルのノーブル(Noble)を介してコスモス(Cosmos)エコシステムにCCTPが対応することが発表された。これによりDEX(分散型取引所)dYdXなどのコスモスエコシステムのアプリケーションでより安全に「USDC」が利用可能になる。

なお現在ネイティブ版の「USDC」は、イーサリアム(Ethereum)、ソラナ(Solana)、アルゴランド(Algorand)、アバランチ(Avalanche)、ヘデラ(Hedera)、トロン(TRON)、ステラ(Stellar)、ノーブル(Noble:コスモスエコシステム)、フロウ(Flow)、アービトラムワン(Arbitrum One)、ベース(Base)、オプティミズム(Optimism)、ニア(NEAR)、ポルカドット(Polkadot)エコシステム、ポリゴンPoS(Polygon PoS)に対応している。

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参考:サークル
images:iStocks/metamorworks

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
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