Ava Labsがサブネットのアーキテクチャ強化のためアップグレードを提案
レイヤー1ブロックチェーンAvalanche(アバランチ)開発の米Ava Labs(アバラボ)が、「サブネット」のアーキテクチャ強化を目的としたアップグレード「Astra(アストラ)」を10月31日に提案した。
なお「サブネット」は、アバランチチェーンを利用した独自ブロックチェーンを構築できる機能。
今回の提案は、新しいタイプのバリデーター「SOV:Subnet-Only Validators(サブネット専用バリデーター)」を導入することで、「サブネット」がプライマリネットワークから独立して稼働する方法を強化する目的がある。アバラボのエンジニア部ヴァイスプレジデントであるパトリック・オグラディ(Patrick O’Grady)氏が提案した。
これまで「サブネット」のバリデーターは、プライマリネットワークのContract Chain(Cチェーン)、Platform Chain(Pチェーン)、Exchange Chain(Xチェーン)の検証も行う必要があった。
今回提案されているアップグレードが実施されると「サブネット」のバリデーターは、自身の「サブネット」の運用とPチェーンの同期にのみ注力できるようになる。
これにより「サブネット」のバリデーターが実質的にプライマリネットワークのバリデーターとして機能する必要がなくなり、計算量とハードウェアへの要求が低減されるため、導入コストが削減されるとのことだ。
アバランチは以前から「サブネット」に関するアップグレードを定期的に行っている。昨年12月に行われたソフトウェアアップグレード「Banff5(バンフファイブ)」では、「サブネット」間で相互通信およびデータ共有を可能にする機能「Avalanche Warp Messaging:AWM(アバランチワープメッセージング)」が導入された。
オグラディ氏は今回の提案のアブストラクトで、「これ(SOV)により、プライマリネットワーク上での同期やバリデーターになることなく、アバランチサブネットを検証し、『AWM』に参加できます」と説明している。
またアバラボは今年9月、ブロックチェーンの状態を保存するための独自のデータベース「ファイアウッド(Firewood)」の開発者向け試験版を公開しており、バリデーターへのハードウェア要件を緩和させるような取り組みを行っている。
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参考:ギットハブ
デザイン:一本寿和
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