ワールドコイン(WLD)、World IDのブロックチェーン間の相互運用機能アップデート

ワールドコインがWorld IDのブロックチェーン間相互運用機能をアップデート

暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「ワールドコイン(Worldcoin)」発行のデジタルID「ワールドID(World ID)」を異なるブロックチェーン間で相互運用可能にする機能「ステートブリッジ(state bridge)」のアップグレードが10月11日に発表された。

「ステートブリッジ」とは、「ワールドID」のスマートコントラクトの状態を他のブロックチェーンと共有することで、開発者がレイヤー2やサイドチェーンなどで本人確認を活用できるようにする機能だ。

「ワールドID」は「オーブ(Orb)」と呼ばれるボール状のデバイスで網膜をスキャンし、各人それぞれの虹彩の特徴をデジタルコードに変換することで発行可能なデジタルID。イーサリアム(Ethereum)上でマークルツリーの形式で管理されており、ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を活用することで様々なアプリケーションで利用可能な個人識別機能を提供している。

現在「ステートブリッジ」は、「ワールドコイン」の関連会社ツールズ・フォー・ヒューマニティ(TFH)提供のウォレットアプリケーション「World App」を介して、イーサリアムのL2ブロックチェーン「オプティミズム(OPtimsism)」上でワールドコインからの給付金を受け取る際に使用されている。

しかしこれまでの「ステートブリッジ」の仕様では、一部の処理にアクセス許可が必要であったり、ガス効率が悪いという問題があった。今回のアップデートはアクセス許可が必要であった部分を誰でも任意の頻度で行えるようにし、ガス効率の向上も行ったとのこと。

ワールドコインによると、これにより開発者はEVM(イーサリアムバーチャルマシン)互換の他のブロックチェーンで独自に「ステートブリッジ」を設計でき、容易に他のブロックチェーンのアプリケーションで「ワールドコイン」を利用できるようになるとのことだ。

「ワールドコイン」は現在個人情報を取り扱う特徴から、いくつかの国で規制当局からの操作を受けるなどしている。ケニアでは政府の合同特別調査委員会が、規制当局に対し事業停止を勧告していることがケニア議会による報告書で9月30日に明らかになっている。

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参考:ワールドコインブログ
デザイン:一本寿和
images:Robert-Way

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
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