英規制当局、暗号資産取引に関する新規則非準拠事業体の警告リストを公表

新規則導入時点で、143社を追加

英国の規制当局である金融行為監督機構(FCA)は、非認可の暗号資産(仮想通貨)取引所についての警告リストを公表しており、さらに同リストに複数の暗号資産取引所を追加したと10月9日発表している。

新たに追加されたのは、フォビ(Huobi)がリブランディングしたHTXや、クーコイン(KuCoin)を含む143の事業体だ。

FCAは警告の中で「私たちはリスク重視のアプローチをとっているため、潜在的な懸念があるすべての企業がすぐに追加されるわけではない。このリストは、暗号資産のプロモーションを違法に行っている可能性があり、FCAとの建設的な関与を怠っている企業を特定した際に、継続的にアップデートされる」と伝えている。

なおFCAが10月8日より発効している新規則に準拠するため、英国でのサービス提供を一時停止する企業も散見される。

米決済大手ペイパル(PayPal)は、英国ユーザーへの暗号資産サービス提供を10月より一時停止すると発表。2024年初頭には、サービス再開予定だという。

また海外暗号資産(仮想通貨)取引所バイビット(Bybit)も、10月より段階的に、英国居住者へのサービス提供を一時停止すると発表している。バイビットは発表にて一時停止の理由をFCAの新規則導入を鑑みての判断だと述べている。

また、暗号資産取引所のOKXやバイナンス(Binance)等の複数の企業が、FCAのプロモーションルールの遵守に取り組んでいると発表している。

新規則について

FCAの新規則では、英国ユーザーに暗号資産関連サービスを提供している海外企業も対象となる。

具体的には「友達紹介」ボーナスなどの暗号資産への投資インセンティブが禁止され、そういった資産を宣伝する事業者は、明確なリスク警告を設置し、広告が明確かつ公正で誤解を招かないようにしなければならない。また企業は初心者の投資家に対し、投資決定を検討する時間を与えるため、明確なリスク警告と24時間のクーリングオフ期間を導入する必要がある。

もしこれを破れば企業は、「最高2年の禁固刑、無制限の罰金、またはその両方」を科される可能性がある。

関連ニュース

参考:FCAFCAのリスト
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Pict-Rider・royyimzy

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した