ヴィタリック、リキッドステーキングの中央集権リスクについて言及

ヴィタリックがリキッドステーキングによるリスクについて言及

イーサリアム(Ethereum)の共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、「イーサリアムはプロトコルにもっと多くのものを記述して問題ないでしょうか?:Should Ethereum be okay with enshrining more things in the protocol?」というタイトルのブログを9月30日に投稿し、リキッドステーキングによる中央集権リスクについて言及した。

同ブログは、イーサリアムのプロトコルへの機能追加に対する賛否両論をふまえ、リキッドステーキングやMEV(最大抽出可能価値)の抱える問題に対する見解と、機能追加による解決策の検討がされている。

ヴィタリックによると、イーサリアムは最低限の設計で構築しており、プロトコル上での様々なアプリケーションの構築はユーザーに任せるという願望に基づいているとのこと。これによりプロトコルの稼働が複雑化することを防ぎ、プロトコルの信頼性とガバナンスの負荷が過度に高まる可能性を抑えているという。

ヴィタリックは、リキッドステーキングサービスの「リド(Lido)」や「ロケットプール(Rocketpool)」を例に挙げ、少数のリキッドステーキングサービスがイーサリアムの多くのノードを運営する状態となっていることに言及した。

これらのサービスがイーサリアムで実行しているノードは現在、ノードオペレーターをDAO(分散型自律組織)や一定額の出資者などによって決定するメカニズムを採用しており、このことが、悪意ある攻撃者による潜在的なリスクにさらされる可能性があると警告した。

なおそういったリスクに対して「リド」が行っている安全策に対しても、「リドのようなプロトコルの名誉のために言っておきますが、彼らはこれに対する安全策を実装していますが、1層の防御では十分ではない可能性があります」とヴィタリックは述べている。

以上の問題を解決するために、ユーザーへ多様なリキッドステーキングサービスを利用するよう推奨することは、道徳的な力に頼ることになり、現実的でない。そのためヴィタリックは、イーサリアムのプロトコル自体に中央集権化を防ぐ機能の追加を行うことを検討しているとのことだ。

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参考:ヴィタリックブログ
写真:大津賀新也

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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