アバランチのAva Labs、独自データベース「Firewood」の開発者プレビューを公開

Ava Labsが「Firewood」の開発者プレビューを公開

レイヤー1ブロックチェーンAvalanche(アバランチ)開発の米Ava Labs(アバラボ)が、ブロックチェーンの状態を保存するための独自のデータベース「ファイアウッド(Firewood)」の開発者向け試験版を公開した。

9月28日にアバラボのエンジニア部ヴァイスプレジデントであるパトリック・オグラディ(Patrick O’Grady)氏がX(旧ツイッター)にて発表している。

「ファイアウッド」は、アバラボがRust言語を用いて0から開発する高速ブロックチェーン用のデータベース。「通常時間を追うごとに増大していくブロックチェーンのデータを効率良く保存する必要がある」という課題を解決するために開発されている。

従来の多くのブロックチェーンでは、ブロックチェーンの状態を「トライ木構造」のデータ形式で「キーバリューストア」という方式に依存して保存している。この構造では、実行結果の比較や素早いデータの同期が容易に行えるものの、データベースに負荷がかかるという欠点がある。

「ファイアウッド」では、「アクティブな状態のみをディスクに保存し使用されなくなった状態は上書きしてしまうこと」や、「キーバリューストアに依存せずディスク上のデータを直接操作すること」、「データの保存場所を最適化すること」これらによってブロックチェーンの状態を効率的に保存可能とのこと。

つまり「キーバリューストア」への依存によりデータが大きくなり続けることで、一般的なコンピュータが通常保存できる最大の容量を超えるデータを保存しないといけなくなる恐れがあるが、「ファイアウッド」により必要な保存データが大きくなり過ぎることが防止できるとのことだ。

また「ファイアウッド」では、障害が発生したときに正常な状態に復旧する「クラッシュリカバリ機能」も提供しているという。

なお現在公開されている試験版は完全には完成しておらず、GitHub(ギットハブ)でローンチまでのロードマップが確認できる。

パトリック氏は「今後数か月にわたって、ファイアウッドのパフォーマンスを当社独自のMerkleDBを含む他のブロックチェーンデータベースと比較する再現可能なベンチマークをリリースし、当社が管理するVM(仮想マシン)の1つへの統合例を提供する予定です」と述べている。

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参考:アバランチブログ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/pp76

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
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