イーサリアムの新テストネット「Holesky」がローンチ、問題発生で再起動へ

イーサリアムの新テストネット「Holesky」がローンチ

イーサリアム(Ethereum)の開発者らが、同ネットワークの新たなテストネット「ホルスキー(Holesky:Holešky)」を9月15日にローンチした。しかしローンチ後すぐに同テストネットで問題が発生し、近日中に再起動を行うと発表されている。

発生した問題は設定ミスによるものであり、現在発覚している部分以外にもいくつか設定ミスがあるとの噂もされている。イーサリアムのクライアントおよびスマートコントラクトの監査を提供するネザーマインド(Nethermind)は、再起動は1週間後に行うことが開発者らの間で合意されたとX(旧ツイッター)にて発表をしている。

これまでイーサリアムのテストネットとしては主に「セポリア(Sepolia)」と「ゴエリ(Goerli)」が利用されてきた。しかしこの両ネットワークを利用する際に必要なガス代用のトークンの供給が少数の団体に独占されているという問題が発生している。

新たなテストネット「ホルスキー」はこの供給問題を解決し、「ゴエリ」に代わって、より良いテスト環境を提供するために展開された。なおテストネットで初めに供給される「Holesky ETH(HETH)」は16億枚であり、この供給枚数はイーサリアムメインネットの10倍に相当するとのことだ。

ホルスキーの立ち上げについては以前から開発者によって議論がされてきた。8月17日に行われたイーサリアムの2つのクライアントのうち、ブロックのバリデーションや生成を行う「実行層(EL:Execution Layer)」に関する開発者会議「エクゼキューションレイヤーミーティング168(Execution Layer Meeting 168)」では、同テストネットを9月に立ち上げる計画が明らかにされていた。

なおホルスキーでは難易度の高い環境でのテスト実行を行うため、メインネットの2倍に相当する140万のバリデーターを持つことが目標とされており、メインネットよりも規模の大きいテストネットとなることが予測されている。

ちなみに「ホルスキー」の名称は英語のHoleとSkyに由来しているのではなく、チェコ共和国の都市プラハの鉄道駅「ホレショビツェ駅(nádraží holešovice)」に由来しているという。なおテストネットのチェーンIDには、その地域の郵便番号である「17000」が利用されている。

関連ニュース

参考:ホレスキーエクスプローラー
デザイン:一本寿和
images:iStocks/NatalyaBurova

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【3/28話題】イーサリアムPectraのメインネット実装が仮決定、ゲームストップ株急落、Seiが23andMe買収検討など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

バイナンスが「Vote to List」の第1弾選出、「MUBARAK」・「BROCCOLI714」・「TUT」・「BANANAS31」を取扱

海外大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)で、ミームコインであるムバラク:Mubarak(MUBARAK)、CZ'Sドッグ:CZ'S Dog(BROCCOLI714)、チュートリアル:Tutorial(TUT)、バナナフォースケール:Banana For Scale(BANANAS31)の4銘柄の現物取引が開始された。バイナンスが3月27日に発表した