暗号資産取引所CoinExのハッキングに北朝鮮ハッカー集団「ラザルス」関与か、被害総額は約81億円超

少なくとも81億円相当のデジタル資産奪われたか

9月12日に発生した大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインエックス(CoinEx)の資金流出事件には、北朝鮮に関連するハッカー集団「ラザルス(Lazarus)」が関与していたようだ。ブロックチェーンセキュリティ会社スローミスト(SlowMist)が9月13日報告した。

コインエックスの資金流出事件は、同社のホットウォレットから時価790万ドル相当(約11.6億円相当)の約4,947イーサリアム(ETH)が、過去に取引履歴のない外部のアドレスに送信されたというもの。その後ダイ(DAI)、ビットコイン(BTC)、ザ・グラフ(GRT)、シバイヌトークン(SHIB)など様々な銘柄の暗号資産が外部アドレスに送られている。

スローミストによれば、この資金流出に関する被害総額は5500万ドル(約81億円)以上だという。

ハッキングを受けた翌日の9月13日、コインエックスは不審な出金があったもののユーザー資金は安全であるとし、被害を受けたユーザーに対してはハッキングによる損失について「100%の補償を行う」と保証した。

またコインエックスはセキュリティ強化のため、一時的に入出金を停止。同取引所は問題を徹底的に調査するための特別チームを設置し、事件に関する報告書を近日中に公表するとしている。

ステークドットコムのハッキングにも関与か

またスローミストは、同社が確認したオンチェーンでの動きから、暗号資産ベースのオンラインカジノプラットフォーム「ステークドットコム(Stake.com)」へのハッキングにも、コインエックスのハッキングに関与したハッカーが関連している可能性があると述べている。

9月4日頃発生したこの事件では、ステークドットコムが外部からの不正ハッキングにより約4,100万ドル(約60.3億円)の暗号資産を流出させられる被害を受けていた。

同事件は9月7日、米国連邦捜査局(FBI)により、ラザルスとの関与を確認されている。

関連ニュース

デザイン:一本寿和
images:iStocks/JohnDWilliams

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【12/18話題】メルカリがイーサリアム保有者に毎月ポイント付与、メタプラネットがビットコイン購入資金調達など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米財務省、北朝鮮の暗号資産マネーロンダリングネットワークに制裁

米国財務省外国資産管理局(OFAC)が、北朝鮮に送金されたデジタル資産のマネーロンダリングに関わったとして、ルー・フアイン(Lu Huaying)氏とチャン・ジエン(Zhang Jian)氏、およびUAE拠点のグリーン・アルパイン・トレーディング社(Green Alpine Trading)に制裁を科したと12月17日に発表した

バイナンスのHODLer Airdropsで「1000CAT」と「PENGU」取り扱い開始、シードタグ銘柄として上場も

大手海外暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、エアドロップサービス「ホドラー・エアドロップ(HODLer Airdrops)」において、暗号資産(仮想通貨)「シモンズ・キャット:Simon's Cat(1000CAT)」および「プディー・ペンギンズ:Pudgy Penguins(PENGU)」を取り扱うことを12月16日に発表した