バイナンスが「BUSD」の取り扱い終了へ、「FDUSD」への交換を推奨

バイナンスがBUSDサポートを段階的に終了へ

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、米ドルステーブルコイン「Binance USD(BUSD)」の取り扱いを段階的に終了すると8月31日発表した。

これによりバイナンスはユーザーに対し、「BUSD」の残高を「FDUSD(First Digital USD)」へ交換することを推奨している。バイナンスからの通知があるまでは「バイナンスコンバート(Binance Convert)」の機能を使用すれば「BUSD」を「FDUSD」へ1:1の価格比率にて、手数料ゼロで交換できるとアナウンスされている。なお「FDUSD」から「BUSD」への交換には非対応とのこと。

なお「FDUSD」は、香港に拠点を置くカストディアン及び登録信託会社の「ファーストデジタル(First Digital)」が発行する担保型の米ドルステーブルコイン。今年7月にバイナンスが取引所として初めて取り扱いを開始していた。

「BUSD」の取り扱い終了は、「バイナンスローン(Binance Loans)」から実施される。9月6日4:00(UTC)日本時間で同日13:00から「BUSD」を融資可能資産として上場廃止するという。

そして9月7日0:00(日本時間同日9:00)からは、BNBチェーン(BNB Chain)、アバランチ(Avalanche)、ポリゴン(Polygon)、トロン(Tron)、オプティミズム(Optimism)上で発行された「BUSD(Binance-Peg BUSD)」の出金が停止されるとのこと。同チェーンの入金およびイーサリアム(Ethereum)上のERC-20規格の「BUSD」の入出金については、通知されるまでは引き続きサポートされるという。

また現物取引や証拠金取引における「BUSD」の取引ペアや先物取引での「BUSD」の取り扱いについては、こちらも上場廃止のアナウンスは別途発表が行われるとのことだ。

その他、クロスマージン取引や「バイナンスアーン(Binance Earn)」、「バイナンスギフトカード(Binance Gift Card)」、「バイナンスペイ(Binance Pay)」なども「BUSD」取り扱い終了の対象サービスとなっている。

「BUSD」取り扱い終了の経緯

今回の発表でバイナンスは「BUSD」取り扱い終了の理由を「パクソス(Paxos)が新たなBUSDのミント(発行/鋳造)を停止したため」と説明している。

今年2月、イーサリアム上の「BUSD」発行を行っていたパクソスは、強制措置への移行準備通知である「ウェルズ・ノーティス(Wells Notice)」を米証券取引委員会(SEC)から受け取っており、SECから「BUSDが証券であり、パクソスは連邦証券法に基づきBUSDの募集時に証券として登録すべきだった」と勧告を受けていた。

またパクソスは同月に、「BUSD」の発行を規制下に置くニューヨーク金融サービス局(NYDFS)から「BUSD」の発行停止命令を受けていいた。

NYDFSは「パクソスがイーサリアム上でBUSDを発行すること」は認めているが、「バイナンスが他のブロックチェーン上において、パクソスが発行したBUSDを原資産とするBUSD(Binance-Peg BUSD)を発行すること」は認めていないと主張。これを受けパクソスは、「BUSD」の新規発行を2月21日に停止している。なおバイナンスはイーサリアム上の「BUSD」をロックすることで、BNBチェーンや他対応チェーン上で同額の「BUSD(Binance-Peg BUSD)」を発行している。

なお「BUSD」の有価証券性について、パクソスとSECが協議中であることが2月に報じられている。

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参考:バイナンス
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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