Visa、イーサリアムのガス代をカード払い可能にする実験実施

Visaがカードでのガス代支払い実験を開始

米決済大手ビザ(Visa)が、イーサリアム(Ethereum)のガス代「ETH」を、クレジットカード使用による法定通貨での支払いを可能にするための実験を行っていることを同社の技術記事によって公開した。

その記事によるとビザは、既にガス代をクレジットカードで支払い可能にするためのテストは完了しているという。

イーサリアムおよび多くのブロックチェーンでの取引を行うためには、通常、ガス代金と呼ばれるネットワーク手数料を支払う必要がある。そのため、利用するブロックチェーンネットワークのガス代となるネイティブトークンを保有しておく必要があるなど、一般のユーザーにとって複雑な仕組みになっている(記事内での例:USDCを送金するためにETHの残高を保有しなければならない)。

ビザは、この複雑さの回避と法定通貨でのガス代支払いの方法として、「アカウント抽象化(AA:Account Abstraction)」を実装する標準規格ERC-4337と、ガス代に支払いを代わりに行うスマートコントラクト「ペイマスター」の組み合わせを提案している。

「アカウント抽象化」とは、一般的に利用されるアドレスであるEOA(Externally Owned Accounts)のようにスマートコントラクトを直接操作できるようにする実装のこと。

「アカウント抽象化」を利用するとユーザーは、ガス代を任意のトークンで支払うことや、簡単に複数の端末でアドレスを共有できるなど多くの利点がある。

なお記事によると、ビザはオープンソースのライブラリを使用するなどして、実験をイーサリアムのテストネット「ゴエリ(Goerli)」で成功させたとのことだ。

ビザはこれまでにもブロックチェーン上での決済サービスに関する実験を行ってきた。5月には「アカウント抽象化」を用いて「ゴエリ」上でステーブルコインなどのERC-20トークンでガス代を支払い可能にする実験を行っていることが分かっている。

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参考:ビザ
デザイン:一本寿和

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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