バイナンス、ドバイで暗号資産取引サービス提供の運用ライセンス取得

条件を満たしたバイナンス

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、ドバイ首長国で暗号資産取引サービスを提供する為の運用ライセンスを取得したことを7月31日発表した。

今回バイナンスが取得したライセンスは、運用MVPライセンス(Operational Minimum Viable Product:Operational MVP)だ。同ライセンスは、ドバイの規制当局であるドバイ暗号資産規制機関(Dubai Virtual Asset Regulatory Authority:VARA)より付与された。

なおVARAは、今年3月9日に公布されたドバイ暗号資産規制法により設置された暗号資産事業に関する規制当局だ。ドバイを含むアラブ首長国連邦(UAE)の暗号資産サービスプロバイダーのライセンス発行やコンプライアンス体制監督をする他、暗号資産取引所とサービスプロバイダーを規制して消費者保護を確保している。

運用ライセンスを取得した初の取引所となる

バイナンスは昨年3月、VARAより暗号資産サービスプロバイダー(virtual asset service provider:VASP)としての暫定承認のライセンスを取得。同年9月には、顧客の資金を現地で保管するための国内銀行口座の開設、暗号取引所の運営、決済・保管サービスの提供が許可される準備MVPライセンス(preparatory Minimum Viable Product:preparatory MVP)を承認されていた。

今回の取得によりバイナンスは、ドバイにおける取引所サービスおよびサービス(ブローカー・ディーラー・サービスを含む)を、機関投資家および適格な個人投資家に提供することができるようになったとのこと。

なおバイナンスの発表によれば、運用MVPライセンスを取得した取引所はバイナンスが初とのことだ。

バイナンスは声明にて、「2022年に付与された暫定承認ライセンスから運用MVPライセンスへの移行は、ドバイの適格なユーザーが、政府間金融活動作業部会に準拠したVARA指定の基準の下で、バーチャルアセット(暗号資産などのデジタル資産)を法定通貨に安全に変換する機能を含む、認可されたサービスにアクセスできるようになることを意味する」と述べている。

MVPライセンスについて

MVPライセンスは、ドバイにおける暗号資産に関するサービス提供を行うにあたり、取得するべき免許だ。同ライセンスには3段階のプロセスがあり、暫定承認ライセンスから始まり、準備ライセンスに続き、運用ライセンスで最終となる。

なお暗号資産の活動ライセンスとしては7つの区分が規制対象となっている。これには「アドバイザリー」、「ブローカー・ディーラー」、「カストディ(保管)」、「交換業」、「レンディング(貸し借り)」、「移転・決済」、「管理・投資サービス」がある。

ドバイにおける他社動向

暗号資産取引所OKX(オーケーエックス)は昨年7月にMVP(Minimum Viable Product)の暫定ライセンスを取得。6月15日には、準備ライセンスを取得している。

暗号資産取引所クリプトドットコム(Crypto.com)も昨年6月に暫定ライセンスを取得したのち、今年3月に準備ライセンスを取得している。

また機関投資家向けに暗号資産などのデジタル資産のカストディサービスを提供するコマイヌ(Komainu Holdings Limited)も昨年7月に取得した暫定ライセンスに続き、同年11月に準備ライセンスを取得した。なおこれによりコマイヌは、VARAからMVPライセンスの認可を受けた初の機関投資家向けデジタル資産カストディアンとなった。

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参考:バイナンス
デザイン:一本寿和
images:iStocks/kurmyshov

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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