Uniswap v4のリリースはCancun後に
「ユニスワップv4(Uniswap v4)」のリリースにおける次のプロセスは、イーサリアム(Ethereum)の次期大型アップグレード「デンクン(Dencun)」の実装後に進むようだ。
ユニスワップ財団(Uniswap Foundation)のガバナンスリードであるエリン・コーエン(Erin Koen)氏は7月6日、大手DEX(分散型取引所)ユニスワップ(Uniswap)の新バージョンプロトコル「ユニスワップv4」のリリースに関するタイムラインを共有した。
コーエン氏によるとタイムラインにおける1つ目のマイルストーンは、先月6月に実施された「ユニスワップv4」の一般公開だ。
そして2つ目となるマイルストーンは「ユニスワップv4」の監査となるようだ。それにはイーサリアムの改善提案となる「EIP-1153」が同ネットワーク実行層の「カンクン(Cancun)」アップグレードの際に統合されることが条件として開始されるとのこと。同アップグレードは、最短で今年9月が見込まれているという。
また監査プロセスについては、推定で1~4か月かかることが推定されている。
この監査を経て、最後のマイルストーンとなる「ユニスワップv4」のプロトコルコードがデプロイされることになる。
なおイーサリアムは、実行層(EL:Execution Layer)とコンセンサス層(CL:Consensus Layer)の2つのクライアントを搭載したノードで運用されている。そのため「デンクン」アップグレードは、実行層のアップグレード「カンクン(Cancun)」とコンセンサス層のアップグレード「デネブ(Deneb)」、この2つのアップグレードを合わさり「デンクン」の名称となっている。
なお前述した「EIP-1153」は、一時的なストレージオペコードの追加をする提案である。
Uniswap v4の変更点
ユニスワップラボによると「ユニスワップv4」は、カスタマイズ性とガス代(手数料)効率の向上をテーマにしているという。V3に対して、いくつかの変更や新機能の搭載を行ったとのこと。
主な変更は「フック(hooks)」と「シングルトン(singleton)」の2つである。
「フック」は、取引の途中にコードを挿入することで流動性プールを独自にカスタマイズできるようにする機能だ。これによりボラティリティに応じた動的な手数料の導入やオンチェーン指値注文の導入などを実装した独自のプールが作成できるという。
また「シングルトン(singleton)」は、これまで流動性プールを作成する毎にスマートコントラクトを作成していた仕組みとは異なり、1つのスマートコントラクトで全ての流動性プールを管理することができ、それによりプールの作成にかかる費用を抑えることが可能だ。
なおその他には「ユニスワップv4」では、v3でサポートしていなかったネイティブのイーサリアム(ETH)をサポートすることが発表されている。なおv3ではwETHのみがサポートされている(v1・v2ではネイティブETHはサポートされていた)。
「ユニスワップv4」は、コミュニティの管理のもとビジネスソースライセンス1.1に基づいてリリースされる予定だ。ソースコードの商用または運用環境での使用が最大4年間制限された後、GPLライセンスに変更されるとのこと。
ちなみにGPLライセンスは、ソフトウェアの使用・改変・再配布を許可なく認めるコピーレフト型のライセンス。コピーレフトとは、著作権を保有したまま無償で広く普及させるという著作権における考え方の1つだ。
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参考:ユニスワップガバナンス
デザイン:一本寿和