Geminiが英国でGemini Stakeing Pro提供開始
ウィンクルボス(Winklevoss)兄弟運営の暗号資産(仮想通貨)取引所ジェミナイ(Gemini)が、英国にて「ジェミナイステーキングプロ(Gemini Stakeing Pro)」を新たに展開し、イーサリアム(ETH)のステーキングサービスを提供開始したことを6月22日発表した。
今回「ジェミナイステーキングプロ」のETHステーキングサービスが英国で提供開始されたことにより、32ETH以上を保有する英国のジェミナイユーザーは、イーサリアム(Ethereum)ネットワーク上で専用のバリデーターを実行できるようになったとのこと。
「ジェミナイステーキングプロ」は、機関や富裕層向けの暗号資産ステーキングサービスだ。ユーザーは、バリデーターノードの運用で必要となる技術的な知識が無くても、個人でバリデーターを実行できるという。米国(ニューヨークを除く)やシンガポール、香港、オーストラリア、ブラジル、その他30カ国以上で展開されている。
現在同サービスではETH、ポリゴン(MATIC)、ソラナ(SOL)のステーキングがサポートされている。しかし今回サービス提供開始となった英国では、MATICとSOLがサポート対象外となっている。
また英国における同サービスは現在web版のみ対応しており、アプリ版は近日中にサポートされるとのこと。
通常ノード実行者は、独自のバリデーターノードを実行する上で間違いがあった際、ネットワークからペナルティが課せられ、ステーキングしたトークンを失うことがある。
しかし「ジェミナイステーキングプロ」では、同サービスがバリデーターノードを運用していることから、ノード実行者にペナルティが課せられた場合、失ったトークンは同サービスから返金されるとのことだ。
ちなみに今月16日に行われたイーサリアムの開発者会議「Consensus Layer Meeting 111」にて、イーサリアムの1バリデーターあたりのETHステーキング上限の引き上げが検討された。提案されたのは、32ETHから2048ETHまでの64倍の引き上げで、最小ステーキング額は引き続き32ETHのままだった。
ステーキングとは
ステーキングとは、「バリデーター」と呼ばれるユーザーが、対象となる暗号資産を一定量保有(ロック)することで取引記録のブロック生成プロセスに参加し、報酬を得る行為のことだ。コンセンサスアルゴリズムの「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」を採用するブロックチェーンで実行が可能となっている。
なおコンセンサスアルゴリズムとは、暗号資産のブロックを追加する際の合意形成のアルゴリズムである。 暗号資産取引所が提供するステーキングサービスは、ユーザーからトークンをプールに集め、ネットワークにまとめて預け入れる形式をとる。そのためユーザーはステーキング参加に本来必要な暗号資産保有量を持たなくとも、少額でステーキング報酬が得られる。
関連ニュース
- イーサリアム開発者、バリデーターのステーキング上限を32ETHから引き上げ提案
- 米ジェミナイ、アジア太平洋地域の市場への拡大計画を発表
- 米ジェミナイがUAEでのライセンス取得手続きを開始、UAE市場の可能性を示唆
- 米ジェミナイがSEC訴訟の却下求める要請、欧州本部にアイルランドを選択も
- 米ジェミナイがインドに開発拠点を新設、現地での積極採用も
参考:ジェミナイ
images:iStocks/Максим-Ивасюк・NKTN