米Prometheum、デジタル資産証券のカストディアンとしてFINRAより初の認可取得

プロメテウスがFINRAからSPBDの認可を取得

プロメテウス・エンバー・キャピタル(Prometheum Ember Capital)が、金融取引業規制機構(FINRA)から特別目的仲介業者(SPBD)の認可を取得したことを5月23日発表した。

発表によるとデジタル資産証券を取り扱う企業としてSPBDの認可を受けるのは、初の事例となるようだ。

同社は今回のSPBDの認可を取得したことにより、米国において個人および機関投資家のためにデジタル資産証券を預かることが可能になった。

プロメテウス・エンバー・キャピタルは、トークン化された証券の発行・取引・清算・決済を扱うデジタル証券の取引プラットフォームを提供するプロメテウス(Prometheum)の子会社だ。

またFINRAは米証券業界最大の自主規制機関。米国の証券仲介ブローカー業務を行う団体はFINRAに登録し、認定を受ける必要がある。

今回のSPBDは、州のライセンスのみで運営されている取引所や取引プラットフォームとは異なり、連邦証券法で求められる顧客保護規則の適用を受けることになる。

これについてプロメテウスの共同CEOであるアーロン・カプラン(Aaron Kaplan)氏は「米国のデジタル資産投資家は現在、連邦証券法が求めるSEA 15c3-3の顧客保護を提供しないプラットフォームを通じて、証券である暗号資産を預かっている。これらのプラットフォームのコンプライアンス違反は、個人投資家と機関投資家の両方に深刻なリスクをもたらす可能性がある」とし、

「米SEC(証券取引委員会)登録のブローカー・ディーラーに資産を預けることで、投資家の信頼を回復し、機関投資家の採用を増やし、業界が繁栄するために必要な規制上の保護が得られると期待しています」と述べている。

なお同じくプロメテウスの子会社であるプロメテウスATS(Prometheum ATS)は昨年10月、SEC登録のATS(代替取引システム)として連邦証券法の適用を受け、同システムのローンチをしている。

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参考:Prometheum Ember Capital
デザイン:一本寿和
images:iStocks/noLimit46・Pict-Rider

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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