トルネードキャッシュ開発者に帰国許可、4月26日にも釈放=報道

自宅で裁判を待つことに

オランダ警察によって逮捕・勾留されているトルネードキャッシュ(Tornado Cash)の開発者アレクセイ・ペルツェフ(Alexey Pertsev)氏の帰国が許可された。The Blockをはじめ複数のメディアが4月20日に報じている。

その報道によれば、ペルツェフ氏の帰国はオランダの裁判所によって許可された。同氏は4月26日には保釈され、帰国する予定だという。これによりペルツェフ氏は刑務所を出て、自宅から裁判を待つことになるとのこと。なお保釈には金銭的保障は発生しなかったとのことだ。

なおペルツェフ氏は自宅に帰れるが、自宅および同氏の足首に電子監視装置の設置が義務づけられるという。

同氏の妻クセニア・マリク(Ksenia Malik)氏によれば、保釈日の4月26日はペルツェフ氏の誕生日だという。同氏は足首に監視モニターを付けることになるが、自宅でペルツェフ氏と共に過ごせることを楽しみにしているとマリク氏はThe Blockに語っている。

トルネードキャッシュと開発者の逮捕について

トルネードキャッシュは、複数ユーザーの暗号資産(仮想通貨)の取引をミキシングすることで、その取引履歴を匿名化できるサービスだ。オランダ警察は、ペルツェフ氏がこのサービスを介して北朝鮮のハッカーによる暗号資産のマネーロンダリングに加担していたとして、2022年8月にサービス開発者である同氏を逮捕していた。

ペルツェフ氏は逮捕後約90日間の勾留を経て、2022年11月にマネーロンダリングの容疑で起訴された。その後11月22日に行われた予備審問会で、オランダ裁判所は2023年2月にヒアリング(審問)を行うことを決定し、それまで同氏の勾留を継続することを通知した。

そして今年2月15日に行われたヒアリングにて、裁判所は4月に行われる次のヒアリングまで同氏の勾留期間を再度延長することを決定。勾留の理由は「保釈された場合、逃亡するか、証拠を隠滅しようとする可能性があるため」としているとのことだった。

なおトルネードキャッシュを利用したマネーロンダリングについては、米財務省も問題視している。同省は2022年8月にトルネードキャッシュそのものを制裁対象に加えたが、その後11月に制裁対象を明確化し「トルネードキャッシュの個々の創設者、開発者は制裁対象に含まれない」と改めた。

関連ニュース

デザイン:一本寿和
images:iStock/Chonlatee-Sangsawang

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した