AppleのiOSとmacOS旧バージョンに脆弱性、暗号資産ウォレットの秘密鍵が流出する可能性も

iOSとmacOSの旧バージョンに脆弱性が発見

Appleが提供するOS(オペレーティングシステム)のiOSとmacOSの旧バージョンで2つの深刻な脆弱性が発見された。コンピュータセキュリティ会社カペルスキー(Kaspersky)が4月17日報告している。

一部報道によると、この脆弱性を利用すればデバイスで利用している情報を抜き取れるため、メタマスク(MetaMask)を始めとした暗号資産(仮想通貨)ウォレットの秘密鍵も抜き取られる可能性もあるとのことだ。

なお最新のアップデートの「iOS 16.4.1」・「iPadOS 16.4.1」・「macOS 13.3.1」では、この脆弱性が修正されており、早急なアップデートが推奨されている。

発見された脆弱性はiOSとmacOSに搭載されたブラウザー「Safariブラウザー」の基礎であるWebKitエンジンにおける解放済みメモリの使用の脆弱性に関する「CVE-2023-28205」と、「IO SurfaceAccelerator」というコンポーネントにおける境界外書き込みの脆弱性に関する「CVE-2023-28206」である。

これらの脆弱性は合わせて利用することで、デバイスに悪意のあるアプリケーションをダウンロードさせてカーネル権限(動作モードのひとつ)で任意のコードを実行できるとのこと。そのため攻撃者はデバイスでほとんど全てのことが可能になるという。

そのため前述したように、デバイスで利用している情報が抜き取れる可能性があり、ウォレットの秘密鍵の情報も同様に盗まれてしまう可能性があるというわけだ。

関連ニュース

参考:カペルスキー
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Wirestock

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

カストディ大手BitGo、シンガポールで事業拡大

ビットゴー・シンガポール(BitGo Singapore Pte. Ltd.)が、シンガポールでの事業を拡大し、アジア太平洋地域(APAC)において最高水準のデジタル資産ソリューションと、規制されたインフラストラクチャサービスを展開できるようになった。同社の親会社であり、デジタル資産のカストディサービスを提供するビットゴー(BitGo)が11月20日発表した

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している