バイナンスが米国での投資計画を一部撤回か、規制当局の監視強化で

バイナンスが対米投資の一部を撤回

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が計画していた米国での投資を一部撤回したと、同社CEOのCZ(Changpeng Zhao)氏が2月18日のツイッターへの投稿で明らかにした。

なおこのツイートは、バイナンスが米国のビジネスパートナーとの関係終了を検討しているとする報道を受け投稿されたものだ。

CZ氏は「私たちは、米国での投資や倒産企業の入札の可能性があるものについて、ひとまず撤回した。まずは許可を得ること。:We pulled back on some potential investments, or bids on bankrupt companies in the US for now. Seek permission first.」とツイートしたが、その他には詳しく説明はしなかった。

ブルームバーグが報じた事情に詳しい関係者の話では、バイナンスに対する規制当局の監視が強化される中、米国内の銀行やサービス会社とのビジネス上の関係を絶つことをバイナンスは検討しているという。

その他にも報道では、バイナンスが米国のベンチャーキャピタルへの投資を再評価していること、主要な米ドルステーブルコイン「USDC」を含む米国拠点のプロジェクトが発行するトークンの上場廃止を検討すると伝えられている。

ロイターは、米国で営業許可を得ていないバイナンスのグローバル版が、独立するバイナンスUSが保有する口座から4億ドル以上をCZ氏が管理する別会社へ密かに移動させていたと17日に報じた。CZ氏の今回の発言は、このロイターの報道の翌日に出たものだ。

これについてバイナンスの広報担当者は「他のすべてのブロックチェーン企業と同様に、私たちは慎重に費用対効果の分析を行っており、私たちのグローバルなユーザーベースを保護するために必要に応じて私たちのビジネスをピボットします」と述べている。ただし、バイナンスがどの米国投資先から撤退したかという質問には、すぐに回答は得られなかった。

米国の規制当局は今年に入り、暗号資産関連企業に対する監視を強化している。規制措置は、米国およびそれ以外の主要な業界プレーヤーが昨年相次いで経営破綻した後に行われた

今月13日、NYDFS(ニューヨーク州金融サービス局)は、バイナンスの米ドルステーブルコイン「BUSD」発行会社パクソス(Paxos Trust)にトークンの発行を停止するよう命じている。

また今月初めにバイナンスは、米国の銀行パートナーであるシグネチャー銀行が暗号資産関連企業へのエクスポージャーを減らした後、すべてのドル建て銀行送金を一時停止したと発表していた。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Binance pulls back on potential U.S. investments -CEO
Reporting by Jaiveer Singh Shekhawat and Niket Nishant in Bengaluru; writing by Tom Wilson in London; Editing by Shailesh Kuber and Susan Fenton
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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