米コインベース、USDTからUSDCへの変換手数料を無料に

USDTからUSDCへの変換手数料免除

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、米ドルペッグのステーブルコインであるテザー(USDT)からUSドルコイン(USDC)への変換手数料の無料化を12月8日に発表した。あくまでもUSDTからUSDCへの変換が対象であり、USDCからUSDTへの変換はその対象ではない。

コインベースは今回の手数料無料化の理由について「最近の暗号資産市場の混乱を受けて、顧客にとって資産の安定性と信頼性が最も重要となっているため、信頼性と評判の高いステーブルコインであるUSDCをより摩擦なく切り替えられるようにする」と説明している。

なお変換手数料の無料化は、コインベース・シンプル・トレード(Coinbase Simple Trade)でのみ適用されるとのこと。コインベース・アドバンスド・トレード(Coinbase Advanced Trade)、エクスチェンジ(Exchange)、プライム(Prime)などの取引タイプでは通常の手数料が課されるとのことだ。

USDCはコインベースとサークル(Circle)社によって2018年に立ち上げられたイーサリアムベースのステーブルコインであり、テザー社のUSDTに次ぐ時価総額を持っている。サークル社は11月3日にUSDCの準備金を米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)の政府系マネーマーケットファンドで運用することを発表しており、2023年第1四半期末(1~3月)までにUSDCの準備金は同ファンドへ完全に移行する予定となっている。

USDCの時価総額は2022年の6月時点で550億ドルであったが、その後減少傾向が続き、現在は420億ドルとなっている。この理由としては、今年9月に暗号資産取引所の最大手バイナンス(Binance)がUSDCのサポートを停止したことが影響していると考えられる(この際にステーブルコインのUSDPとTUSDのサポートも停止)

なおバイナンスによるUSDCサポート停止後に、バイナンスの自社ステーブルコインBUSDは時価総額を上昇させている。

関連ニュース

USDCのサークル、SPAC上場計画解消へ

サークル、USDC準備金をブラックロックの政府系ファンドで運用開始、来年完全移行へ

コインベース、法定通貨によるUSDC購入手数料が免除に

バイナンスが自社ステーブルコイン「BUSD」に注力か、USDCやUSDPなど取引非対応へ

USDCのサークル、シンガポール金融当局から決済ライセンス取得

参考:コインベース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/ustinroque

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

合わせて読みたい記事

【12/18話題】メルカリがイーサリアム保有者に毎月ポイント付与、メタプラネットがビットコイン購入資金調達など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米財務省、北朝鮮の暗号資産マネーロンダリングネットワークに制裁

米国財務省外国資産管理局(OFAC)が、北朝鮮に送金されたデジタル資産のマネーロンダリングに関わったとして、ルー・フアイン(Lu Huaying)氏とチャン・ジエン(Zhang Jian)氏、およびUAE拠点のグリーン・アルパイン・トレーディング社(Green Alpine Trading)に制裁を科したと12月17日に発表した

バイナンスのHODLer Airdropsで「1000CAT」と「PENGU」取り扱い開始、シードタグ銘柄として上場も

大手海外暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、エアドロップサービス「ホドラー・エアドロップ(HODLer Airdrops)」において、暗号資産(仮想通貨)「シモンズ・キャット:Simon's Cat(1000CAT)」および「プディー・ペンギンズ:Pudgy Penguins(PENGU)」を取り扱うことを12月16日に発表した