ベルギー規制当局、暗号資産は証券としない考えを表明

FMSAは暗号資産は証券としない考え

ベルギーの金融規制当局FSMA(Financial Services and Markets Authority)が、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、その他同様の暗号資産(仮想通貨)に関して、証券や投資商品と見なさない考えを11月22日発表した。なおその対象は一般向けに提供される暗号資産に適用されるとのこと。

発表によれば、BTCやETHのように、コンピュータコードによって作成され、発行者がいない場合は原則として目論見書規則、目論見書、およびMiFID(ミフィッド)の行動規則は適用されないとしている。

なおMiFIDとは金融商品市場指令(Markets in Financial Instruments Directive)の略称で、欧州連合(EU)の金融・資本市場の包括的な規制を指す。

ただし規制当局は、これら暗号資産に支払いまたは交換機能がある場合は、それら商品に関連する特定のサービスを提供する人に、他の規制が適用される場合があるとしている。

またFMSAは、暗号資産の分類行使に関する一連のガイドラインを提供するために段階的な計画も発表している。

その中でFMSAは、その計画がテクノロジーに関して中立であることを強調しており、証券、金融商品、または投資商品としての資格は、使用されているテクノロジーに依存しないと説明している。また将来の規制変更を反映するために計画を更新する用意があると付け加えている。

これは今年10月に欧州理事会にて暗号資産市場規制法案(MiCA)が可決となり、立法化が進んでいることを受けての考えと思われる。

MiCAは、EUの暗号資産サービスプロバイダーに向けて包括的な暗号資産市場規制を示す法案だ。2020年9月に原案が提出され、その後いくつかの要件を追加し、2022年6月に欧州理事会にて暫定合意に達した。現在立法化が進められており、10月10日の欧州議会での承認を経て、早ければ2024年初頭に法律として制定される。

関連ニュース

ベルギーのデジタル資産流動性プロバイダーKeyrockがシリーズAで約5億2,400万円の資金調達を実施

監督者国際機構IOSCO、FTX崩壊は暗号資産規制前進のきっかけに

証券等の米自主規制機関FINRA、暗号資産関連の企業コミュニケーション調査へ

EU理事会が暗号資産市場の規制法案「MiCA」可決、24年に法制定

米SECがコインベースを調査か、証券として登録すべき暗号資産取扱の有無を

参考:FMSA
デザイン:一本寿和
images:iStocks/btgbtg

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した

【11/21話題】ビットコイン9万6000ドル突破、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設検討かなど(音声ニュース)

ビットコイン9万6000ドル突破、トランプの政策に期待、トランプ陣営、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設を検討か=報道、アスター、新ロードマップ「Astar Evolution Phase 1.5」発表、ASTRがオプティミズムスーパーチェーン進出へ、オンチェーン分析のArkham、米国で暗号資産の現物取引所立ち上げへ、コインベースウォレットが「USDC Rewards」導入、保有だけでAPY4.7%、韓国最大の野党、暗号資産課税の免除額引き上げの改正案を提出=報道、FTX元幹部ゲイリー・ワン、暗号資産詐欺事件で実刑を免れる、韓国大手の暗号資産取引所Upbit、「ジャスミーコイン(JASMY)」取り扱い、コインベースにミームコイン「Floki(FLOKI)」上場へ、ジェミナイ、フランスで正式にサービス展開、ビットフィネックス証券、エルサルバドルで「トークン化米国債券」提供へ、21シェアーズ、「Ethereum Core ETP」にステーキング機能追加、EVM互換のL1ブロックチェーン「Monad」、テストネットを段階的に公開へ、1SECと丸井グループが資本提携、ブロックチェーン活用の新しいファンエンゲージメントモデル構築で

Sponsored