エルサルバドル政府、BTC担保債券発行に向け議会承認求める
世界で初めてビットコインを法定通貨として採用したエルサルバドル政府は、暗号資産(仮想通貨)による投資債券の発行について議会の承認を求めている。
エルサルバドルの政府議会は11月22日に、国内外の投資家に対する暗号資産関連の投資債券の発行を規制することを目的とした「デジタルアセット発行法」と呼ばれる法案を受理したと発表した。
この法案は、ナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領がビットコインを担保にした債券でサルバドールの海岸に町を建設するというビットコインシティプロジェクトの資金調達のために、いわゆる「火山債(ヴォルケーノ・ボンズ:Volcano Bonds)」を発行し10億ドルを調達すると発表してから1年後に提出された。
その後ブケレ大統領は、この債券がエルサルバドルの170の火山にちなんだもので、地熱を利用してビットコインのマイニングプロジェクトを支援するものであることを明らかにした。
当初エルサルバドル政府は今年の初めに火山債を販売できると考えていた。アレハンドロ・ゼラヤ(Alejandro Zelaya)財務大臣によると、ロシアとウクライナの戦争に起因する経済不安のため、発売が遅れたという。
草案によれば、新たに提案された法案はデジタル資産の募集で得た資金を監督、保護、投資するためのビットコイン資金管理局(AAB)と、ビットコイン担保債券の発行を監督するためのデジタル資産国家委員会の設立を目的としたものだという。
対外債務を抱え、海外、特に米国からの資金に大きく依存しているエルサルバドルは、2021年9月にビットコインを法定通貨として採用、ブケレ大統領はビットコインの法定通貨化が国に繁栄をもたらす手段だとして正当化している。
これまでエルサルバドル政府は2,392BTCを約1億700万ドル(約148億円)で購入している(民間推計)。ただし、最近の値崩れでそのビットコインの価値は63%低下している。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
(Reporting by Gerardo Arbaiza; Editing by David Gregorio)
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
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