バイナンスがETH/BUSDの現物取引手数料を1ヶ月無料に
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、イーサリアム(ETH)とバイナンスUSドル(BUSD)の現物の取引ペアにおける手数料を無料にするキャンペーンを8月26日より開始した。
このキャンペーン期間は、26日0時から9月26日0時(UTC:世界協定時)までとなっており、全バイナンスユーザーは、ETH/BUSD現物取引ペアのメイカー及びテイカーの手数料が無料になるとのこと。
なお取引手数料が無料になるのは、ETH/BUSD現物取引ペアのみで、BNB手数料割引、手数料リベート、その他の形式の手数料調整、手数料プロモーションは対象外としている。
またVIPユーザーについては、キャンペーン期間内30日分のETH/BUSD出来高が「手数料レベル」に含まれないとしており、現物流動性プロバイダーに関しても、同期間は「現物流動性プロバイダープログラム」に向けたメイカー出来高の計算には含まれないとしている。
なお今回のバイナンスによる、ETH/BUSDの現物取引手数料の無料キャンペーンは、イーサリアム(Ethereum)の大型アップグレード「マージ(The Merge)」に向けた動きと思われる。
イーサリアムのマージとは
「マージ」とは9月15日頃に予定されているイーサリアムの大型アップグレードだ。イーサリアムにおけるコンセンサスアルゴリズムをPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)へ変更する為に、イーサリアム2.0のチェーン(ビーコンチェーン)にイーサリアム1.0のチェーン(エグゼキューションチェーン)を移行する計画となっている。
またそれに対し、「マージ」後に残るアップグレードに対応しないイーサリアム1.0のチェーンをハードフォーク(分岐)させて、PoWで稼働するネットワークを保持するプロジェクトが進められており、一部の取引所やマイナーはその計画を支持・サポートする表明も出している。ETHWはPoWチェーンのトークンを指す。
なおイーサリアムの創業者であるヴィタリック・ブテリン氏は、このPoWチェーンのフォークについて「大きな打撃とはならない」と述べており、正統なPoSチェーンへの影響は少ないと見られている。
関連ニュース
米コインベース、ETHのリキッドステーキングトークン「cbETH」を発行
ビットバンク、イーサリアム「マージ」による「ETHW」対応方針を発表
ビットフライヤー、イーサリアム「マージ」後のハードフォーク対応について方針発表
バイナンスが韓国釜山市と覚書締結、ブロックチェーン産業の発展促進で
参考:バイナンス
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Oleksandr-Shatyrov