zkRollup技術開発のRyodan Systemsとフォアーが業務提携
秘匿化やプライバシー技術に関連する「zkRollupプロトコル」の開発を行う「Ryodan Systems」とフォアーが、分散型アプリケーションレイヤーの構築のため、業務提携したことを発表した。フォアーはAI/ビッグデータ解析領域のアルゴリズムの開発と共に、多数の演算処理を同時に処理可能なベクトル型プロセッサの開発を行う日本企業。またRyodan Systemsはスイスを拠点に日本人開発者である日置玲於奈氏がCEOを務める企業だ。
「zkRollup」はゼロ知識証明に基づくソリューションで、イーサリアム(Ethereum)のスケーリング技術として注目されている。なおゼロ知識証明は「ブロックチェーン基盤のネットワークで一度に処理できるデータ量の制限」や「本来、秘匿化が必要な情報が公開されてしまう状態」などの課題を解決できうる技術である。
今回の業務提携により両社は「zkRollupのプロトコル」の開発を推進し、機密情報の保護と検算の高速化を両立させる分散型アプリケーションレイヤーを開発していくとのことだ。
また両社は業務提携の最大の目的として、「zkRollup」がハードウェア領域においても重要な技術になることに備えて、ソフトウェアとハードウェア領域を横断・包括する協業プロジェクトを生み出していくと説明している。
ちなみに「Ryodan Systems」は以前より「Intmax Rollup」というソリューションを開発してきた。
「Intmax Rollup」はブロックチェーンの取引履歴の検証プロセスの大部分をオフチェーン上(レイヤー2)で実行することで、高いセキュリティレベルを実現すると共に、従来のzkRollupと比して、95%以上の計算コストの削減を実現しているという。
追記:8月12日12時00分
Ryodan SystemsのCEO日置玲於奈氏へ取材
「あたらしい経済」編集部は、Ryodan SystemsのCEOである日置玲於奈氏へ取材を行った。
−−パブリックブロックチェーンに「Intmax Rollup」が適応されたあと、企業や個人の経済経済活動にはどのような変化が生じると考えていますか?
今までクリプト開発者に集中していたEthereum/クリプトの金融に関する機能や利益を、業界外のスタートアップや多くのプロジェクトが受けることができるようになります。
デザイン:一本寿和
images:iStocks/TaiChesco・Lidiia-Moor