デロイトとNYDIG提携、企業のビットコイン活用促進へ

デロイトとNYDIG提携、企業のビットコイン活用促進へ

デロイト・トウシュ・トーマツと、ビットコインのカストディ企業NYDIG(ニューヨーク・デジタル・インベストメント・グループ)が、戦略的提携を行ったことが6月21日に分かった。

は、さまざまな企業ビットコインなどデジタル資産のロイヤリティとリワード、従業員福利厚生に関連するプロダクトを展開を支援していくという。またデロイトはデジタル資産事業を強化する狙いもあるようだ。 

なお 両社が提携したサービス利用企業は、現在NYDIGが提供する包括的なビットコイン金融・技術プロダクトおよびサービスとともに、デロイトの多分野にわたる専門的サービスを活用することが可能になるという。

主に対象企業は銀行など金融サービス事業を提供する企業だと推測できる提携の背景には、消費者がビットコインに対しても、信頼できる金融サービスの提供者として銀行に期待するようになってきていることがあるとしている。 

NYDIGの社長ヤン・チャオ(Yan Zhao)氏は、次のようにコメントしている。

「私たちは、伝統的な金融インフラがデジタル資産インフラと一緒に機能し、最高水準の規制コンプライアンスを備えた最高クラスの体験を顧客に提供する世界を思い描いています。私たちはすでに、既存のユーザー体験にビットコインウォレットを組み込み、ビットコインのリワードプログラムを強化し、ビットコイン担保融資を可能にすることで、すべての人にビットコインに関連するサービスを提供し始めています。 デロイトは、企業がこの種のプロジェクトを効率的に実行し、高いレベルの厳密さで顧客の需要に応えるための次のステップを支援する、完璧な協力者です」

Deloitte&Touche LLPのデジタルアセットバンキング規制プラクティスリード兼プリンシパルであるリチャード・ローゼンタール(Richard Rosenthal)氏は、次のようにコメントしている。

「金融サービスの将来は、デジタル資産の利用が中心となり、私たちは規制やコンプライアンスに則った方法で関与する方法について顧客に助言することに注力しています。私たちはNYDIGとのこの提携がビジネスの成長をさらに促進し、デジタル資産のイノベーションを可能にするためにデロイトが行っている大規模な投資のもう一つの特徴になると信じています」

なおNYDIGは昨年3月にモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)やソロス・ファンド・マネジメント(Soros Fund Management)などから約218億円(2億ドル)の資金調達を発表した。

また昨年6月に米金融サービス大手のNCRと提携し650の金融機関に暗号資産取引サービスを提供開始した。そして昨年10月にはテキサス州消防士年金基金のビットコインとイーサリアムへの投資のカストディ業務を担ったことも分かっている。さらに昨年12月に、NYDIGは約1,200億円(10億ドル)の資金調達を株式で行なった。

なお米ニューヨーク拠点のファイブスター銀行(Five Star Bank)はNYDIGと提携することを今年の1月に発表しており、顧客にビットコインの売買・保管サービスを今年の第2四半期までに提供する予定であることを明かした。

参考:NYDIG
images:iStocks/ThaiMyNguyen・Lidiia-Moor
デザイン:一本寿和

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した