テストネット「Ropsten」でPoS移行に成功
イーサリアムのテストネット「ロプステンテストネット(Ropsten Testnet)」が、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行する「The Merge」 に、6月8日成功した。
この移行はイーサリアム・メインネットのPoSに移行するための大型アップグレードに向けたものだ。
今回のロプステンでの「The Merge」の実行は、イーサリアムのノードを使用するクライアントソフトウェアが不具合なく動作するかどうかを確認することが主な目的だった。
なおイーサリアムのノードを利用しているクライアントソフトウェアとして、ライトハウス(Lighthouse)、ロデスター(Lodestar)、プリズム(Prysm)、テク(Teku)、ベス(Besu)、エリゴン(Erigon)、go-ethereum(geth)、ニザーマインド(Nethermind)らが、今回の「ロプステン」のPoS移行に関わった。
今年中に「ロプステン」と同様の移行プロセスがイーサリアムのメインネットでも予定されているが、まだ移行日は明確に決まっていない。
イーサリアムの共同創設者であるヴィタリク・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、この移行に関して「もちろん移行したPoSチェーンが、この6時間うまく稼働しているからといって、成功した証拠にはなりません。MEV(フロントランニングの問題)やステーキングの集中化、DOS攻撃に対する保護など長期的な問題があり、移行作業中の2分ではなく、移行後の3週間後に発生する可能性があります」と指摘した。
なおDeFi(分散型金融)のレンディングプロトコルであるアーベ(Aave)は、PoSチェーンの「ロプステン」に対応したことをツイートで明かした。ユーザーはアーベのサイト上で「テストネットモード」へ切り替えれば、利用できる。
ちなみにイーサリアム財団は、今年3月にイーサリアムのテストネットである「キルン(Kiln)」を立ち上げ、同テストネットで移行作業を実施し「ロプステン」での移行の準備を進めていた。
参考:Ethereum
images:iStocks/dalebor
デザイン:一本寿和