ビットコインに決済ネットワークの未来ない、FTX CEO サム発言

ビットコインに決済ネットワークの未来ない、FTX CEO サム発言

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの創業者が、「ビットコインには決済ネットワークとしての未来はない」と述べ、ビットコインは非効率で環境コストが高いと批判したと、フィナンシャルタイムズ(Financial Times)が5月16日(月)に報じた。

世界最大の暗号資産であるビットコインは、複雑なパズルを解くような計算を複数のマイナーのコンピュータ(マイニングマシン)に実施させ、取引を記録していく「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」というプロセスによって生み出されている。その計算のためには、大量の電力が必要だ。

この仕組みに代わるものとして「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」というコンセンサスアルゴリズムがある。参加者は、ネットワークに参加するためにトークンを購入し、そのトークンを多くステーキングすればするほど、ネットワークでの承認権限が高まり、より多くのマイニングが可能になる仕組みだ。

FTXの創設者兼CEOサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)氏は、フィナンシャルタイムズに対し「PoSネットワークは安価で電力消費も少ないため、暗号資産を決済ネットワークとして進化させるために必要だろう」と述べた。

第2位の暗号資産ETH(イーサー)のブロックチェーン・イーサリアム(Ethereum)は、PoSネットワークへの移行を進めている。

またサム・バンクマン・フリード氏は「ビットコインは暗号資産である必要はなく、金のように資産、商品、価値の貯蔵としての未来があるだろう」と伝えた。

ビットコインは先週、米ドルステーブルコインであるTerraUSD(UST)が、ドルとペッグを維持できなくなった問題を受け、2020年12月以来の安値を記録した。

ちなみにサム・バンクマン・フリード氏が2019年に共同設立したFTXは、2月の資金調達ラウンドで320億ドル(約4.1兆円)と評価され、バンクマン・フリード自身の資産は210億ドル(2.7兆円)だとフォーブスが伝えている。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Reporting by Shubham Kalia in Bengaluru; editing by Uttaresh.V
images:Reuters
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

a16z、登録投資顧問に対する「暗号資産カストディ規則」見直し提言

米大手ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz:a16z)は、登録投資顧問(Registered Investment Adviser:RIA)が暗号資産(仮想通貨)を直接カストディ(自己保管)できるようにするため、米証券取引委員会(SEC)に対してカストディ・ルールの見直しを求める書簡を、4月9日に提出した

香港SFC、ChinaAMCの「イーサリアム現物ETF」にステーキング機能承認

香港証券先物委員会(SFC)が、中国資産運用会社チャイナアセットマネジメント(ChinaAMC)が運用する暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の現物価格に連動するETF(上場投資信託)について、ステーキング機能の提供を承認した。ステーキング業務を担う暗号資産取引所OSLデジタル証券(OSL)が4月16日に発表した

VanEck、デジタル資産関連企業に特化したETF「NODE」を5/14にCboe BZXで上場へ

米資産運用大手ヴァンエック(VanEck)が運用する、デジタル資産関連企業に特化した上場投資信託(ETF)「ヴァンエック・オンチェーン・エコノミー・ETF(VanEck Onchain Economy ETF:NODE)」が、米国の証券取引所であるシーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)に上場される予定だ。ヴァンエックのデジタル資産リサーチ責任者であるマシュー・シーゲル(Matthew Sigel)氏が4月16日にXで報告した