ハイブマインドとアルゴランド(ALGO)、音楽配信「ナップスター」買収

ハイブマインドとアルゴランドがナップスター買収

web3特化ファンド「ハイブマインド・キャピタル・パートナーズ(Hivemind Capital Partners)」と、ブロックチェーン開発企業アルゴランド(Algorand)が、音楽配信サービス「ナップスター(Napster)」を買収したことが5月10日分かった。

「ハイブマインド」はこの買収により、ブロックチェーンとweb3をアーティストやファンに提供することで、再び音楽業界に革命を起こすことを目的としている。なお買収額や具体的な取り組みなどについては明かされていない。

また今回の買収にあたり、ナップスターの最高戦略責任者(CSO)エミー・ラベル(Emmy Lovell)氏が、同社の暫定最高経営責任者(CEO)に任命されたとのこと。

そもそもはブロックチェーンにも活用されているP2P技術を使った音楽ファイル共有ソフトとしてはじまった「ナップスター(Napster)」。一時は世界中でユーザーを伸ばしたが、著作権の問題が指摘され2003年、倒産に追い込まれた。

その際ラプソディ・インターナショナル(Rhapsody International)と2016年に合併。そしてラプソディ・インターナショナル提供の音楽配信サービス名を「ナップスター」とする形で、当初のサービスとは異なるが名称が引き継がれることになった。

その後2020年、VR音楽アプリ提供のメロディーVR(MelodyVR)にナップスターは買収され、また今回web3事業に向け「ハイブマインド」に買収されることとなった。

「ハイブマインド」は昨年11月、米シティ・グループ(Citi Group)の元幹部であるマット・チャン(Matt Zhang)氏により設立された15億ドル(時価:約1,900億円)規模のWeb3領域特化ファンドだ。

「ハイブマインド」は、暗号資産関連スタートアップや「Play-to-Earn」領域への投資、そして暗号資産取引を行なっている。また技術力とネットワークエコシステムのインフラを提供する戦略的パートナーとして、レイヤー1ブロックチェーンのアルゴランド(Algorand)を選んでいる。

アルゴランドはマサチューセッツ工科大学のチューリング賞受賞者である、シルビオ・ミカリ(Silvio Micali)教授が創設したアルゴランド財団の独自ブロックチェーンだ。コンセンサスアルゴリズムにはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用している。

現在は2000以上のグローバル組織や政府、分散型金融(DeFi)のアプリケーションに採用されている。ネイティブトークンのALGOは、各ブロックの構築に使用されるコンセンサスの確保、各トランザクションの支払い、アルゴランドのエコシステムで使用できる。

またアルゴランドは今月2日、FIFAワールドカップと提携し、FIFAの公式スポンサー及び技術パートナーに就任している。この提携により、FIFAの公式ブロックチェーンプラットフォームとなり、アルゴランドのブロックチェーンに対応した公式ウォレットソリューションを提供するとしている。

関連ニュース

元シティグループ幹部、約1,700億円規模のWeb3.0ファンド組成

アルゴランドが「FIFAワールドカップ・カタール2022」公式スポンサー就任

【取材】アカツキが25億円規模web3ファンド「Emoote」発表、STEPNなど20以上にトークン投資済み

オーケーコイン、機関投資家向けにデリバティブ取引提供へ

FTX US、新本拠地シカゴで市民の所得保障や銀行包摂を支援へ

参考:Twitter
デザイン:一本寿和
images:iStocks/noLimit46・Lidiia-Moor

この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した