アルゼンチンサッカー協会がファントークンで二重契約か、ソシオスに次いでバイナンスと提携

アルゼンチンサッカー協会、バイナンスとファントークン発行で提携

アルゼンチンサッカー協会(AFA)が、「Socios.com(ソシオスドットコム)」と提携し公式ファントークンの発行をしているにも関わらず、同様の契約を大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)と交わしたことが分かった。

バイナンスおよびAFAは1月24日、アルゼンチンサッカー代表チームのグローバルスポンサー、AFAの公式ファントークン発行、そしてアルゼンチン国内サッカーリーグのネーミングに関する契約合意を発表した。

しかしAFAは昨年5月に同様の契約を「Socios.com(ソシオスドットコム)」運営元のブロックチェーン企業チリーズ(Chiliz)と交わしており、7月にはアルゼンチンのサッカー1部リーグであるプリメーラ・ディビシオン(Primera Division)の名称をトルネオソシオスドットコム(Torneo Socios.com)にリブランド。また10月にはAFAの公式ファントークンが「Socios.com」で発行されており、現在も「Chiliz Exchange」にて取り扱いがある状態だ。

なおチリーズとの契約期間については3年間となっており、現在契約期間中にも関わらずAFAはバイナンスと5年間の契約を締結したようだ。なおバイナンスにとっては初のサッカー代表チームとのスポンサー契約となる。

今回の発表を確認すると「この契約には、まもなく市場に投入される新しいファントークンの開発が含まれています」との記載がある。

また地元紙は、チリーズが今回のAFAの動きに対し「重大な契約違反」とし法的措置を取ると25日に報じている。

現在のところチリーズからは正式な発表はないが、同社の創業者兼CEOのアレクサンドル・ドレイファス(Alexandre Dreyfus)氏は公式テレグラムで近日中に正式声明を出すことを伝えており、今回のことについて「詐欺師以外ではありえないこと」とコメントしている。

バイナンスはチリーズ「Socios.com」に遅れ、昨年10月よりファントークン事業に参入した。バイナンスはファントークン発行にあたり、「バイナンスファントークンプラットフォーム(Binance Fan Token Platform)」を公開し、トークン発行にはバイナンスが以前より提供していたIEO(Initial Exchange Offering)プラットフォーム「バイナンスローンチパッド(Binance Launchpad)」の仕組みを利用している。

第1弾には伊セリエA加盟のサッカークラブであるSSラツィオ、第2弾はポルトガルプロサッカー1部リーグ「プリメイラリーガ」加盟のFCポルト、第3弾はブラジルプロサッカーリーグ「ブラジレイロ・セリエA」加盟のサントスFCのファントークンをそれぞれ発行している。

なおドレイファス氏は当時バイナンスがファントークン事業を始めることについて「世界的な認識であり、大規模な成長と統合につながります」とコメントし、歓迎しているようにも見えた。

今回の契約により、現在発行されている公式ファントークンは何故か一時7円台から9円台近くまで上昇したが、現在は6.8円台を推移している(Chiliz Exchange調べ)。今後「Socios.com」で発行されているファントークンはどうなるのか、バイナンスでも発行されるのか、またリーグ名も変更となるのか、その行方に注目だ。

関連ニュース

チリーズ「Socios. com」が新たにNBA2チームと提携、またアルゼンチンサッカーチームのファントークン発行も

アルゼンチンサッカー1部リーグ名称が「Torneo Socios. com」に、チリーズとのスポンサー契約で

チリーズのSocios. com、サッカーアルゼンチン代表、米モータースポーツチーム、インドクリケット3チームとの提携を立て続けに発表

バイナンス、公式ファントークン第二弾はポルトガルFCポルト

バイナンス、セリエAラツィオのファントークン発行へ。激化するか? スポーツとトークン市場

参考:バイナンス地元紙
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Wavebreakmedia

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した