村上隆、中止したNFT作品を来春再リリースへ

村上隆、NFT作品リリースを再発表

現代アーティストの村上隆氏が来年春ごろを目途に、改めてNFT作品をリリースする予定であることを12月29日発表した。

村上氏は今年3月、アートコレクション「Murakami.Flowers」を発表し、4月に同作品をNFTとしてマーケットプレイス「OpenSea(オープンシー)」にてオークション販売を開始していた。しかし、その後作品の販売延期および再検討を発表していた。

当時村上氏は自身のプロジェクト延期・再検討の理由を、NFTの長所を生かしたコレクター/オーナーの利便性、作品所有の満足度や安心感を最大化するためと説明し、今後は「作品のコンセプトを踏まえ、ERC721や1155のメリットとデメリットを考慮した選択」「独自のスマートコントラクトの要否」「独自ストアフロント構築の要否」「IPFSの要否」などのテーマに対して慎重な検討と議論を重ねたうえで、より最適な形式でNFTを提供するとしていた。

その後村上氏は10月に、デジタルコレクティブを中心に扱うNFTブランドであるRTFKT Studios(アーティファクトスタジオ)が企画した「アバタープロジェクト」にキャラクターデザイナーとして参加していた。

村上氏の発表によると「Murakami.Flowers」をNFTで公開するにあたり、独自のスマートコントラクトやプロジェクトの規模などについて、実験的に検討重ねてきたとのことで、プロジェクトチーム自体も何度か編成が組み直されたという。

またNFT作品公開に向け、RTFKTのプロジェクトへの参加は、有意義な経験で学びがあったと村上氏は伝えている。

「Murakami.Flowers」販売への進捗については、引き続き公開されていくと発表されている。

なお「Murakami.Flowers」は村上氏の代表作である「お花」をファミコン文化創造の起源への憧憬を想起させる24×24ピクセルのpixel artとして、仏教で欲望を表す数字「108」の作品をリリースするコレクションとなっている。

NFTとは

「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」とは、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。

なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。

関連ニュース

村上隆がRTFKTのNFTプロジェクトに参加、キャラクターデザインでコラボ実現

村上隆氏、NFTアート販売の延期と再検討を発表

村上隆氏のNFTオークション開始、108のNFTアートを1つにまとめた「108 Earthly Temptations」落札者に108のNFTも

【速報】現代美術作家の村上隆氏がNFTアート「Murakami.Flowers」を出品

マンガで解説「NFTとは何?」〜ザ・テクノロジー 2030 より

参考:村上隆Instagram

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した