スイス証券取引所、規制下初のデジタル債券発行。ブロックチェーンはR3コルダ

スイス証券取引所、規制下でデジタル債券を発行

スイス最大の証券取引所であるスイス証券取引所(SIX Swiss Exchange Ltd:SWX)を運営するSIXグループが、総額1億5,000万スイスフラン(約185.2億円)のデジタル債券を発行したことが11月18日分かった。SIXグループはこの債券について「完全に規制された環境下で発行する世界初のデジタル債券」と説明している。

発表によると、この債券は2026年満期の無担保のシニア債となる。総額1億5,000万スイスフランのうち、1億スイスフランがデジタル債券となっており、残りの5,000万スイスフランは従来の債券として発行されているとのこと。また満期までの利回りは0.125%に相当するとのこと。

この債券のデジタル部分はSDX Tradingに上場し取引が行われ、SIX Digital Exchange(SDX)が保管を行うという。また従来部分についてはスイス証券取引所に上場されるとのことだ。

またデジタル債券発行にあたりブロックチェーン技術には、エンタープライズ向けブロックチェーン「コルダ(Corda)」が採用されていることが技術開発元の米R3社によって明らかになっている。

SDXおよびSDX Tradingは今年9月にスイスの金融規制当局である連邦金融市場監督機構(FINMA)より、デジタル資産の証券取引所(暗号資産取引所)および中央証券のカストディ(保管)を運営する為の正式承認を取得していた。

これらのライセンスが発行されたのは、スイスにおいてトークン形式のデジタル証券取引を促進するインフラに対し、初の事例とのことだった。

またSDXは昨年12月にSBIホールディングス株式会社の100%子会社でデジタルアセット関連事業の統括・運営をするSBIデジタルアセットホールディングスとシンガポールを拠点とする機関投資家向けのデジタル資産の発行・取引・保管の各機能を提供する合弁会社の設立について合意している。

関連ニュース

スイス証券取引所(SIX)傘下のSDX、暗号資産取引所運営ライセンス取得

SBIがスイス証券取引所を運営するSIXグループと合弁会社設立へ

参考:SIXR3
デザイン:一本寿和
images:iStocks/LuckyStep48・johan10

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した