ドイツ証券取引所、デジタル証券ポストトレードプラットフォーム「D7」発表

ドイツ証券取引所、デジタル証券ポストトレードプラットフォーム「D7」発表

ドイツ証券取引所(Deutsche Börse AG)が、分散型台帳技術(DLT)を活用したデジタル証券のポストトレードプラットフォーム「D7」を立ち上げる予定であることが10月6日分かった。ポストトレードとは、株式などの証券・債権の取引が約定した後に行う必要のある業務全般のことだ。

「D7」を活用することでデジタル証券の発行、カストディ(保管)、決済、支払い、アセットサービシング(債権回収)などのバリューチェーン全体において、即日発行やペーパーレス、自動化されたSTP(ストレート・スルー・プロセッシング)を可能にするという。

なおSTPとは、証券市場において発注・売買成立から決済に至るまでの過程を、人手を介さず電子的に行うことを意味する。

ドイツ証券取引所は「D7」導入により、2022年半ばには国内で扱う証券の80%以上がデジタル化可能であると説明している。

なおこのプラットフォームの導入は段階的に行われる予定で、今年11月にはフランクフルトのクリアストリーム・バンキング(Clearstream Banking AG)にてデジタル証券の発行と保管の基盤として採用され、2022年半ばには即日発行とペーパーレス、自動化のサポートを進めるとのこと。そしてそれ以降にDLTとの連携を行う計画のようだ。

なお「D7」はマイクロソフト(Microsoft)社、エンタープライズ向けブロックチェーン「Corda」開発元のR3社、スマートコントラクト言語「DAML(ダムル)」を開発するデジタルアセット(Digital Asset)社、DELL(デル)子会社のヴイエムウェア(VMware)社と共同で開発されているとのことだ。

ドイツでは今年6月より電子証券法(eWpG)が発効され、従来の株券を必要としない電子証券の発行が可能となった。「D7」についても電子証券法に基づいた規制に準拠したプラットフォームであることが説明されている。

関連ニュース

ドイツ政府がデジタル証券を合法化

ドイツ銀行が暗号資産(仮想通貨)カストディサービスの提供を計画か

ドイツ取引所グループ、デジタル資産関連企業の過半数株式を取得

ドイツの主要金融機関らがDLT技術活用の店頭デリバティブ取引に成功

参考:ドイツ証券取引所電子証券法 
デザイン:一本寿和
images:iStocks/BeeBright・dalebor

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【12/18話題】メルカリがイーサリアム保有者に毎月ポイント付与、メタプラネットがビットコイン購入資金調達など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米財務省、北朝鮮の暗号資産マネーロンダリングネットワークに制裁

米国財務省外国資産管理局(OFAC)が、北朝鮮に送金されたデジタル資産のマネーロンダリングに関わったとして、ルー・フアイン(Lu Huaying)氏とチャン・ジエン(Zhang Jian)氏、およびUAE拠点のグリーン・アルパイン・トレーディング社(Green Alpine Trading)に制裁を科したと12月17日に発表した

バイナンスのHODLer Airdropsで「1000CAT」と「PENGU」取り扱い開始、シードタグ銘柄として上場も

大手海外暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、エアドロップサービス「ホドラー・エアドロップ(HODLer Airdrops)」において、暗号資産(仮想通貨)「シモンズ・キャット:Simon's Cat(1000CAT)」および「プディー・ペンギンズ:Pudgy Penguins(PENGU)」を取り扱うことを12月16日に発表した