Datachain、コルダとの異種ブロックチェーン相互接続モジュールをリリース

コルダとの異種ブロックチェーン相互接続モジュールがリリース

株式会社Datachain(データチェーン)がエンタープライズ向けブロックチェーンのコルダ(Corda)と、他のブロックチェーン基盤を相互接続(インターオペラビリティ)をするモジュールをリリースしたことが9月17日分かった。

このモジュールはブロックチェーンプロジェクトであるコスモス(Cosmos)のIBCを用いて開発されており、OSS(オープンソースソフトウェア)としてリリースがされた。なおIBCとは、Interchain FoundationおよびCosmosプロジェクトによって策定が進んでいる、ブロックチェーン同士の相互運用性を担保するための仕様標準のことだ。

発表によると、このモジュールの活用によりコルダで構築されたデジタル通貨やSTOなどの金融領域やNFT、サプライチェーントレーサビリティなど幅広いプロジェクトで、仲介者の信頼に依存せずにお互いのブロックチェーンが相互に検証し合うRelay方式によって連携が可能になると説明されている。

なおこのコルダ対応のIBC Moduleは、主要オープンソースライセンス(利用規約)であるApache2.0(アパッチ2.0)にて、Datachainが開発を主導するHyperledger Labsプロジェクト「YUI」の一部として提供されるとのこと。

またDatachainは今回のモジュールリリースにより、国内でのコルダ販売元となるSBI R3 Japan株式会社より、CorDapps(Corda上で動作するアプリケーション)の開発パートナーとして認定を取得したとのこと。

株式会社Datachainはブロックチェーンのインターオペラビリティについて積極的に取り組む企業だ。

Datachainが開発を主導するHyperledger Labsプロジェクト「YUI」では、様々なブロックチェーン基盤においてIBCによるインターオペラビリティを実現するために「IBC Module」などの開発や、特定の中央集権型システムに依存せずに、異なるブロックチェーンに分散したデータの参照や機能の実行を行う「Cross-chain smart contract」の開発を可能にするフレームワーク「Cross Framework」を開発し特許出願も行っている。

関連ニュース

Datachain、イーサリアムとハイパーレジャーファブリックの相互運用性に関する実証実験開始

DatachainのインターオペラビリティPJ「YUI」、HyperledgerLabsプロジェクトに

【10分解説】コスモス(Cosmos)の全体像について(CauchyE代表 木村優氏)

なぜデータの相互運用性が求められるのか インターオペラビリティを実現するDatachain「Cross Framework」とは

デザイン:一本寿和
images:iStocks/Lidiia-Moor

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【12/18話題】メルカリがイーサリアム保有者に毎月ポイント付与、メタプラネットがビットコイン購入資金調達など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米財務省、北朝鮮の暗号資産マネーロンダリングネットワークに制裁

米国財務省外国資産管理局(OFAC)が、北朝鮮に送金されたデジタル資産のマネーロンダリングに関わったとして、ルー・フアイン(Lu Huaying)氏とチャン・ジエン(Zhang Jian)氏、およびUAE拠点のグリーン・アルパイン・トレーディング社(Green Alpine Trading)に制裁を科したと12月17日に発表した

バイナンスのHODLer Airdropsで「1000CAT」と「PENGU」取り扱い開始、シードタグ銘柄として上場も

大手海外暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、エアドロップサービス「ホドラー・エアドロップ(HODLer Airdrops)」において、暗号資産(仮想通貨)「シモンズ・キャット:Simon's Cat(1000CAT)」および「プディー・ペンギンズ:Pudgy Penguins(PENGU)」を取り扱うことを12月16日に発表した