米国三菱商事が貿易決済でブロックチェーン活用
三菱商事の米国子会社である米国三菱商事が、ブロックチェーン企業スクチェーン(Skuchain)のブロックチェーンシステム内の決済用トークンを利用して、ペルーの鉱山から約47億円(4,300万ドル)相当の金属を購入したことを8月24日に発表した。
スクチェーンが提供するブロックチェーン上での決済取引は「支払いコミットメント(Distributed Ledger PaymentCommitment:DLPC)」と呼ばれており、その標準化策定を目指しているものだ。
スクチェーンは2019年に世界経済フォーラムによってテクノロジー・パイオニア企業に選出されている。 今回の取引では、みずほ銀行がペルーの鉱山へ資金を支払う役割を担った。
リリースによれば、購入者が使用したトークンはトランザクションバンキングの最大の業界団体であるBAFT(The Bankers Association for Finance and Trade)によって発行されたものとのことだ。また今回の購買を通して、スクチェーンのブロックチェーンでは従来の取引手段と同じレベルのセキュリティ状態を保ったまま、より低コストな取引が実現できたとのこと。
米国三菱商事のシリコンバレー支店イノベーション&デザインシンキングディレクターのYuichiro Yoshinari氏はリリースで次のようにコメントしている。
「今回、スクチェーンおよびみずほ銀行と協力して、実際の取引で初のDLPC取引を行うことができ、大変光栄に思います。お客様やパートナーにより良いサービスを提供するために、DLPCを活用する機会を継続的に追求していきたいです。」
みずほ銀行グローバル・トランザクション・バンキング部長のYoshisuke Maeda氏は次のようにコメントしている。
「米国三菱商事とスクチェーンとの間で、初のDLPC取引を実施できたことを光栄に思います。 貿易金融の最先端技術を活用し、お客様の多様なニーズにお応えするサービス提供力の向上を加速させていきたいです。」
参考:Skuchain
images:iStocks/Ninja-Studio・tifonimages
デザイン:一本寿和