伊ピエトロ・コリチェリが「IBM Food Trust」採用
世界で最も流通しているオリーブオイルブランドであるイタリアのピエトロ・コリチェリ(Pietro Coricelli)が、米IBMの食品トレーサビリティプラットフォームである「IBM Food Trust」に参加し、ブロックチェーン技術によってエキストラバージンオリーブオイルのサプライチェーン追跡を行うことを6月21日発表した。
「IBM Food Trust」は米IBMと米小売大手Walmart(ウォルマート)との取り組みから発展した、食の信頼構築を目指す業界プラットフォームだ。なおこのプラットフォームはエンタープライズ向けブロックチェーンであるハイパーレジャーファブリック(Hyperledger fabric)を基盤に開発されている。
リリースによるとエクストラバージンオリーブオイルを販売するためには必要な条件があり、それを満たすために生産者は使用した原料や製法に関する情報を保持することが求められているとのこと。このプラットフォームを利用することで、その情報を証明する。
またピエトロ・コリチェリ社のベストセラー製品であるエクストラバージンオリーブオイルの1リットルボトルにQRコードを添付することで、消費者は店頭でその製品に関する分析やテスト情報や内容の保証を確認できるようになるとのことだ。これにより、消費者が製品に関する十分な情報を得て購入するという透明性向上の支援をおこなうとのことだ。
編集部のコメント
「IBM Food Trust」は2018年10月より商用利用がされています。Walmartでは2018年9月に野菜取引業者へ「IBM Food Trust」に参加することを義務付ける書簡を送り、実用化促進を後押しをしています。なお「IBM Food Trust」では、サプライチェーンの効率性と透明性を向上させるための国際規格を設計・策定する標準化団体「GS1」の規格「EPCIS(Electronic Product Code Information Services)」が導入されています。GS1標準に準拠したデータであれば、容易にIBM Food Trustに統合できるようになっています。
また「IBM Food Trust」を利用してトレーサビリティを管理している事業として、乳製品・コーヒー・ベリー・卵・オリーブオイル・粉ミルク・サーモン・ホタテ・エビなどがあります。仏小売大手Carrefour(カルフール)では「IBM Food Trust」導入したことにより一部商品の売り上げが増加したという報告があり、その結果をうけカルフールでは食品トレーサビリティ対象の製品の取り扱いを拡大するとしています。
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参考:IBM
デザイン:一本寿和
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