【追加取材】暗号資産マイニング企業F2Pool、8周年記念のNFTオークションで環境問題に取組み(Daniel Hwang)

F2Pool、8周年記念のNFTオークションで環境問題に取組み

ビットコインを始めとした暗号資産(仮想通貨)のマイニングプールを運営するF2Poolが、2021年5月5日に迎える8周年を記念して、韓国を拠点に活動するアーティストMr.MisangによるNFTアートの特別記念オークションを開催することを発表した。

このMr.MisangのNFTアートオークションは、5月5日午後1時(UTC)からNFTマーケットプレイスのSuperRareで8日間の期間にて行われる予定だ。

Mr.Misangは韓国を拠点とする著名なアーティストで、BTSの所属レーベルであるBighit Entertainment、ヒュンダイ・モータ―、サムスン、Riot Games Koreaなど、韓国のトップ企業やブランドとコラボレーションした実績を有している。

最近の作品では社会的な問題やテーマを扱っており、アートシリーズ「Modern Life is Rubbish」は、1ヶ月間で859ETH(約190万ドル)以上の売り上げを記録した。

F2Poolは8年間にわたってプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のエコシステムをサポートしており、ビットコインにおいては世界最大級のマイニングプールに成長した他、多くの暗号資産のハッシュレートにも貢献している。

今回のオークションでは収益の50%がカーボン・クレジットの購入に充てられ、SuperRareも手数料の全額をカーボン・クレジットの購入に充てる予定としている。

またリリースにて「今回のカーボン・オフセット・クレジット購入は、根本的な問題解決ではないことも十分理解しています。よって、ブロックチェーン・インフラストラクチャ・カーボン・ワーキンググループを正式に発表いたします。

このワーキンググループではF2Poolとその関連会社であるstakefishが中心となり、カーボンフットプリントの測定に関する基準やフレームワークの確立、PoWとPoSの両方のネットワークにおけるブロックチェーンインフラプロバイダーのオフセットオプション、カーボンニュートラルなインセンティブメカニズムの将来的な機会について調査を進めます」と課題や今後の展望が説明されている。

(加筆:4月30日15時30分)

あたらしい経済編集部はF2pool プロトコルスペシャリストのDaniel Hwang氏へ取材を行った。

F2pool プロトコルスペシャリストのDaniel Hwang氏へ取材

-他の産業と比較して、マイニング産業のCO2排出量はどのくらいの影響度がありますか?

Daniel Hwang(以下:Daniel):このことに関して、一般的な話しかできません。というのは伝統的な産業におけるCO2排出量の測定方法は、さまざまな基準やフレームワークが統一的に採用されていないため、手探りでつくられた客観的指標なに過ぎません。

例えばビットコインのカーボンフットプリントと電力消費量は年間約45TWh(~45,800,000トンのCO2)、イーサリアムは約10TWhとする研究が試みられています。

またビットコインのカーボンフットプリント測定に関する2019年の研究を紹介します。

研究:The Carbon Footprint of Bitcoin

マイニング産業との比較として、航空宇宙産業だけで2019年だけで9億1,500万TonのCO2を発生させています。これはマイニング産業の約20倍です。

ただここでの測定基準にはまだ課題があり、それを解決するために私たちはBlockchain Infra Carbon Working Groupを発足したのです。

-今、環境問題に取り組もうと思ったきっかけは何ですか?

Daniel:F2Poolは、8年以上にわたってPoW業界を維持、サポートしてきました。金融システムの未来を確保し、構築し、維持することと同様に、地球の御用人であり続けることも同様に重要です。

またマイニングプールへの貢献を通じたブロックチェーンエコシステムの御用人として、私たちは人口の一員として地球の御用人でもあります。ここで積極的にサポートし、貢献し、協力する機会があれば、それは私たちが影響力のある役割を果たすことができるものです。

-他のマイナーやマイニングプール、あるいはブロックチェーンプロトコルとのコラボレーションの予定はありますか?

Daniel:現在、Blockchain Infra Carbon Working Groupは、ブロックチェーン・インフラストラクチャ・プロバイダーが採用できる測定基準の研究と確立に注力しています。

これは、現在のシステムの状態を理解し、私たちが使用して自分自身を評価するための共通の共有フレームワークを持つことが重要です。そうすることで初めて、インフラ提供者としてのカーボンフットプリントの出力を理解するための強固な基盤ができ、オフセットの機会を模索することができるのです。

その後の展開としては、カーボンオフセットやカーボンネガティブを実現するためのより探求的な方法を特定することが考えられます。

さらに、ブロックチェーン自体の測定方法を確立したり、カーボンニュートラルやカーボンネガティブソリューションに貢献できる適切なインセンティブメカニズムを特定したりする方法も考えられます。

(images:iStocks/sdecoret)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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