海運会社MSC、ブロックチェーン活用の電子船荷証券(eBL)導入へ
スイスのジュネーヴに拠点を置く海運会社MSC(Mediterranean Shipping Company S.A.)が、ブロックチェーン活用の電子船荷証券(eBL)の正式導入を4月28日発表した。
MSCは世界155カ国に524の事業所を持ち、同社が抱える船隊215以上の貿易ルートを航行し、500以上の港に寄港するという。またコンテナ船の船腹面積では、世界第一位のマースクラインに次ぐ第二位を誇る海運会社である。
今回MSCが導入したeBLを発行する船荷証券ソリューション「WAVE BL」を利用することにより、荷主をはじめとするサプライチェーンの主要なステークホルダーが日々の業務に変更や支障をきたすことなく、船荷証券文書を電子的に受け取り、送信することを可能にするという。
リリースによると海運業界では、現行の船荷証券からeBLに移行することで年間40億ドル以上のコスト削減が可能とのことだ。また輸出業者、輸入業者、貿易業者は2021年内であれば「WAVE BL」を無料で利用できるとのことで、ユーザーが支払うのは書類の原本を発行する費用のみで、サービスを利用するためにITインフラへの投資や運用の変更は必要ないとしている。
MSCのグローバル・チーフ・デジタル&インフォメーション・オフィサーであるアンドレ・シムハ(André Simha)氏はリリースにて「MSCがWAVE BLを採用したのは、海運・貨物輸送業界が慣れ親しんでいる従来の紙ベースのプロセスを反映した唯一のソリューションだからです」と「WAVE BL」採用の理由を説明している。
参考:WAVEBL
(images:iStock/Tryaging・Igor-Korchak)