暗号資産マーケットレポート
今週もSBI VCトレード提供の暗号資産(仮想通貨)に関するウィークリー・マーケットレポートをお届けします。
11/17~11/23週のサマリー
- ビットコインは前週に引き続き史上最高値を更新、ドル建て価格は100,000ドルの目前に迫る
- アルトコインの循環物色は継続、XRPは2021年5月以来の高値
- ゲイリー・ゲンスラー米証券取引委員会(SEC)委員長の辞任が正式発表
- 現物ビットコインETFオプションがナスダックに上場
暗号資産市場概況
11/17~11/23週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+8.17%の15,193,000円、ETH/JPYの週足終値は同+8.85%の529,915円であった(※終値は11/23の当社現物EOD[11/24 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、トランプ次期大統領の閣僚人事が暗号資産に親和的な人選となる観測や、ゲイリー・ゲンスラー米証券取引委員会(SEC)委員長の辞任報道が追い風となり好調を維持。ビットコイン円建て価格は1,500万円を付け、ドル建て価格では節目となる100,000ドルに迫る99,800ドル付近の価格帯まで伸長し大きくアウトパフォームした週となった。
22日に発表された米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長の退任報道は暗号資産業界に大きな影響を与えた。ゲンスラー委員長は2021年4月の就任以来、暗号資産を有価証券として扱う姿勢を示し、CoinbaseやBinance、Krakenなどの大手企業への法的執行措置を積極的に行ってきた。この暗号資産業界への強硬な規制姿勢が業界からの強い反発を招いていたことは記憶に新しいだろう。特にRipple社とXRPに対するの訴訟は、XRP Ledger社およびRipple社における技術サービスの普及を著しく阻害してきた。同委員長退任の報道を受けXRPはこれまでの鬱積を晴らすかのように、週を通し+30.21%と伸長した
トランプ次期大統領の閣僚人事についても併せて注目したい。イーロン・マスク氏の政府効率化省(Department of Government Efficiency = DOGE)のトップ就任に続き、ソロスファンド出身でかねてより暗号資産に親和的な姿勢であるスコット・ベッセント氏を財務長官に指名。また暗号資産企業Bakkt創業者のケリー・ロフラー氏を農務長官に指名する動きを見せた。(11/24時点でケリー・ロフラー氏の指名は見送られた可能性がある。)さらにトランプチームは、ホワイトハウス内に暗号資産政策を専門とする新ポストを設置するか否かを協議中であると報じられている。実現すればホワイトハウス史上初の暗号資産に特化するポジションが誕生することとなり、関連ニュースについては次週以降特に注意を払う必要があるだろう。
トランプ氏の大統領当選以降の暗号資産業界への姿勢は、選挙中の暗号資産業界への友好的な発言がリップサービスではないことが証明されている。バイデン政権・ゲンスラー委員長体制下において抑圧されていた市場センチメントがポジティブな方向に大きく変化していることは市場の動きから感じ取れるだろう。次週以降はビットコインが心理的節目となる100,000ドルの価格を突破できるかが大きく注目される。相場は過熱感を帯びており、オプションの未決済建玉も高水準であるため、ボラタイルな展開を想定した投資判断を行いたい。
1) BTC/USD週間チャート(30分足)
2) BTC/JPY週間チャート(30分足)
3) ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格
4) イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格
5) BTCオプション未決済玉推移
11/17~11/23週の主な出来事
11/24~11/30週の主な予定
【今週のひとこと】ホワイトハウス「暗号資産特命官」
トランプ次期大統領の政権移行チームは、ホワイトハウス内に暗号資産関連の政策に特化したポジション「暗号資産特命官」を新設するために専門家や業界幹部らと会合を行っていると、11月21日に報じられました。
執筆時点(11月24日)では報道ベースであり正式に決定された事項ではありませんが、実現すれば、ホワイトハウスで暗号資産に特化した史上初のポジションが誕生することとなります。
これまで大統領は、気候変動や国境警備といった重要課題に対して「特命官」を任命してきましたが、暗号資産専門の特命官を設置することで、業界関係者が大統領に直接アクセスできる新たな機会が生まれることになり、暗号資産業界への大きな追い風となることでしょう。
トランプ氏は大統領選前の7月にナッシュビルで行われた「ビットコインカンファレンス2024」で、暗号資産に友好的な政権運営の一環として新たな諮問委員会を設置することを約束しました。
諮問委員会の設置については、構成やスタッフ、参加企業の選定に関する協議を進めているとみられており、米国の有力な暗号資産企業が参加を熱望しています。
今回のホワイトハウス内における「暗号資産特命官」の創設においても「ビットコインカンファレンス2024」
の公約の延長線上にある動きであるといえるでしょう。
今後もトランプ次期大統領の暗号資産関連の政策動向には目が離せません。
このレポートについて
国内の暗号資産(仮想通貨)取引所「SBI VCトレード」提供の週間マーケットレポートです。毎週月曜日に最新のレポートをお届けします。
<暗号資産を利用する際の注意点>
暗号資産は、日本円、ドルなどの「法定通貨」とは異なり、国等によりその価値が保証されているものではありません。
暗号資産は、価格変動により損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性があります。
当社が倒産した場合には、預託された金銭及び暗号資産を返還することができない可能性があります。
当社の取り扱う暗号資産のお取引にあたっては、その他にも注意を要する点があります。お取引を始めるに際しては、「取引約款」、「契約締結前交付書面」等をよくお読みのうえ、取引内容や仕組み、リスク等を十分にご理解いただきご自身の判断にてお取引くださるようお願いいたします。
秘密鍵を失った場合、保有する暗号資産を利用することができず、その価値を失う可能性があります。
暗号資産は支払いを受ける者の同意がある場合に限り、代価の支払いのために使用することができます。