年初来高値の更新つづくビットコイン、DOGEやSHIBなどミームコインも上昇、リスクオンセンチメントの高まりか(暗号資産/仮想通貨 市場レポート 3/4号)

今週もSBI VCトレード提供の暗号資産(仮想通貨)に関するウィークリー・マーケットレポートをお届けします。

2/25~3/2週のサマリー

  • BTCはビットコイン現物ETFの好調な資金フローを背景に年初来高値を更新
  • ビットコイン現物ETFの資金流入額・取引高が過去最高額を記録
  • BTC 先物建玉が2021年11月の水準を上回り、過去最高水準の260億ドル
  • ミームコインが上昇、投機マネー・事業体からの資金流入

暗号資産市場概況

2/25~3/2週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+19.94%の9,306,600円、ETH/JPYの週足終値は同+14.05%の512,365円であった(※終値は3/2の当社現物EOD[3/3 6:59:59]レートMid値)。

前週の暗号資産市場は、ビットコイン現物ETFの好調な資金フローを背景にBTCは価格を大きく上昇させ年初来高値を更新、アルトコイン市場にも資金が流入し暗号資産市場は週を通して堅調に推移した。28日にはビットコイン現物ETFへの資金流入金額が6.7憶ドル、取引高が76.9億ドルに上り、ともに過去最高額となり記録的な週となった。

活況をみせる暗号資産市場であるが、市場の過熱感にも注意したい。3/2にはBTCの先物建玉が2021年11月以来の最高水準となる260億ドルに達し、ファンディングレートも2021年4月以来の高水準(取引所平均:年率約109%)まで上昇した。今般の価格上昇が大規模なショートスクイーズを伴っていることから、ロングポジションの清算に伴う短期的なボラティリティの高まりも考慮する必要がある。

不安要素を孕む相場環境であるが、今後数か月の見通しは前向きであると言えるだろう。目前に迫る半減期の到来を前に、好調なビットコイン現物ETFの資金フロー(マイニングによる1日当たりの報酬約900BTCに対し、ETF経由での先週買越し数量は1日平均で約5,686BTC)が確認され、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴといった大手既存金融機関のビットコイン現物ETFの取り扱いによる富裕層資金の流入期待といった材料が相場の下支えとなっている(半減期については当社作成の「【徹底解説】ビットコインの半減期とは?仮想通貨市場に与える影響・考えておきたい論点|あたらしい経済」を拝読されたい)。

アルトコイン市場においても複数銘柄に物色買いが入り、多数の銘柄が年初来高値を更新。DOGE、SHIB等のミームコインの上昇が目立ち、投資家のリスクオンセンチメントの高まりを表す形となった。先週のミームコインの上昇は個人の投機性資金だけではなく、大手暗号資産ベンチャーキャピタルのDWF Labsといった事業体からの資金流入も背景となっている点は興味深い。同社は先週DOGE・SHIB関連銘柄への1,000万ドル分のトークン購入による投資を発表している。

今週については、ドル建てBTC価格の史上最高値も意識されるボラタイルな市場環境下において、引き続きビットコイン現物ETFの資金フロー、BTCデリバティブ市場動向等にいつも以上に配慮し、冷静な投資判断を行う必要がある。

BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

ビットコイン現物 ETF のネットフローと運用資産残高合計

(緑・赤のバーがネットフロー / 白線が運用資産残高合計)SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

[BTC先物建玉]

(黄 BTC価格 / 緑 BTC先物建玉)coinglass 提供のチャートにて SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

[BTCファンディングレート推移]

(黒 BTC価格 / 緑 ファンディングレート)glassnode 提供のチャートにて SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

2/25~3/2週の主な出来事

3/3~3/9週の主な予定

【今週のひとこと】ビットコインキャッシュ(BCH)

執筆時点で約4年に一度のビットコイン(以下、BTC)半減期到来まで遂に50日を切りました。現物ETFへの安定した資金流入とともに半減期を迎えるビットコインの希少化が意識され、暗号資産市場全般が過熱感を帯びながら堅調に推移しています。先週末もSHIB, DOGEなどの犬系コインをはじめ、様々なミームコインが物色され大幅に上昇するなど投機の側面も強まっています。そのような環境下で、ビットコインキャッシュ(以下、BCH)の上昇も目立っています。 

BCHが他のアルトコインと異なるのはBCHにも半減期が存在し、BTCとほとんど変わらない4月に到来するという点です。前回は2020年4月8日午後10時頃、マイニング報酬は12.5BCHから6.25BCHに半減しました。そして4年後の今年4月には、3.125BCHにマイニング報酬が半減される見通しです。 

BCHがBTCと半減期の時期や銘柄名が似ているのはBTCからハードフォークされたブロックチェーンだからです。ハードフォークとはブロックチェーン自体の仕様(ルール)変更を行い、元々のチェーンと分岐することを意味します。ブロックチェーン・システムの効率化を目指して行われることが一般的です。 

BTC半減期と同様の仕組みを持つ暗号資産はその他にもLTC(ライトコイン)、ETC(イーサリアム・クラシック)などがあり、それぞれの特徴や時期を調べることで市場への理解が深まるかもしれません。

このレポートについて

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この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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