6/18~6/24週のサマリー
- BTCは4/14以来の年初来高値を更新、一時31,000ドルまで上昇
- 米国で暗号資産取引所「EDX Markets」がサービス開始
- ビットコイン・ドミナンスが50%を超え、過去2年間で最も高い水準に
暗号資産市場概況
6/18~6/24週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+16.84%の4,391,800円、ETH/JPYの週足終値は同+10.21%の269,920円であった(※終値は6/24の当社現物EOD[6/25 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、前週の世界最大の資産運用会社である米ブラックロック社によるビットコインETF申請に続き、同じく資産運用会社大手である米インベスコ社を含む3社がビットコインETFを申請した。このような大手金融機関のETF申請に加え、ドイツ銀行がデジタル資産ライセンスを取得したことや、米フィデリティ社等の既存金融大手が主導する暗号資産取引所である「EDX Markets」のローンチが報道された。
暗号資産価格が大きく上昇した背景としては、暗号資産市場への新規マネー流入経路が増えることへの期待感の高まりがあったと考えられる。特に「EDX Markets」で取り扱われる銘柄であるBCHは前週比約+85%と大きく上昇する結果となった。
先週はビットコイン・ドミナンスが50%を超え、過去2年間で最も高い水準となった。ビットコイン・ドミナンスとは暗号資産全体に対するビットコインの時価総額比率を示し、資金循環の流れを確認する指標と言える。ビットコイン・ドミナンスが一定水準に到達しピークを迎えるとアルトコインに投資資金が流入する傾向もあるものの、昨今の米証券取引委員会(SEC)は一部アルトコインを証券扱いすると提示しており、この傾向が今回も当てはまるかどうかには疑問が残る。
また、先週のトピックとして、24日にロシア民間軍事会社であるワグネルがロシア軍に対し反旗を翻し、首都モスクワに向かって北上する事態が発生した。隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介により、25日にはワグネルはモスクワへの侵攻を停止し撤収したものの、侵攻が続いていればリスク性資産である暗号資産は下落していた可能性もある。ワグネル創設者のエフゲニー・プリコジン氏がベラルーシへと移り、事態は一旦の収束を迎えたが、地政学的リスクが再燃する可能性も頭に入れておきたい。
[過去2年間のビットコイン・ドミナンス]
1:BTC/USD週間チャート(30分足)
2:BTC/JPY週間チャート(30分足)
[BCH/JPY週間チャート(30分足)]
6/18~6/24週の主な出来事
6/25~7/1週の主な予定
今週のひとこと「トレーサビリティ(Traceability)」
トレーサビリティ(Traceability)とは、トレース(Trace:追跡)とアビリティ(Ability:能力)を組み合わせた造語で、「製品の製造・供給過程を追跡し、その情報を記録・参照できる能力」を意味します。
トレーサビリティは、食品、医薬品などの品質管理・安全性の保証に特に有用であり、原材料や製造工程、配送ルートなどが追跡可能となることで、製品への信頼性を向上させることができます。
ブロックチェーンにおけるトレーサビリティとは、ブロックチェーン技術を駆使して製品やデータの追跡を実現することです。ブロックチェーンに記録された情報は、半永久的に保存され、ブロックチェーン上で確認することができ、改ざんされにくいという特性を持っています。
また、スマートコントラクトで定めた条件の内容(例:ある製品の検査結果が基準値を下回った場合そのことを記録する)は、ブロックチェーン上で確認可能であり、定められた条件は自動的に実行されます。
このようなブロックチェーンの特性(データの保存性・透明性・改ざん耐性)を活用することで、従来よりも信頼性が高いトレースを実現することが可能となります。
このレポートについて
国内の暗号資産(仮想通貨)取引所「SBI VCトレード」提供の週間マーケットレポートです。毎週月曜日に最新のレポートをお届けしまします。
<暗号資産を利用する際の注意点>
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