4/30~5/6週のサマリー
- BTCは概ね28,000ドル~30,000ドルのレンジ相場
- ファースト・リパブリック・バンクが経営破綻し、JPモルガンによる買収が決定
- 米国政策金利は25bpsの利上げ、5.25%に
- ビットコインNFT「Ordinals」の影響でビットコインの日次トランザクション数が過去最高を更新
- $AIDOGEや$PEPEなどの「ミームコイン」が盛り上がりを見せる
- Apple社決算は売上高/利益ともに市場予想を上回る
- Coinbase社決算は総収益/1株当たり損益ともに市場予想を上回り、株価は堅調に推移
暗号資産市場概況
4/30~5/6週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲1.99%の3,906,400円、ETH/JPYの週足終値は同▲0.98%の257,070円であった(※終値は5/6の当社現物EOD[5/7 6:59:59]レートMid値)。
今週の暗号資産市場は、ISM製造業景気指数の上振れによる米国金利の上昇を受け、BTC/USDが5/2に27,000ドル台まで下落、その後は米地銀不安、米暗号資産大手Coinbaseの好決算を受けて反発し、28,000ドルから29,000ドル台でのレンジ相場展開となった。
当週で市場の注目度が高かった FOMC は市場予想通り25bp の利上げを決定し、声明文からは「追加の引き締めが適切となる可能性を見込む」との文言が削除された。続く会見では「インフレは強すぎる」「一時停止の決定は今日行われなかった」等のタカ派よりの発言はあったものの、「追加の政策引き締めが適切か決める際、インフレ率、経済・金融情勢を考慮する」「会合ごとにその決定をおこなう」等の発言があり、結果として今後のFRBによる金利政策についてはデータ次第であるというFRBのスタンスが確認され、株式市場はやや下げて推移したものの、FOMCは比較的落ち着いた反応で通過した。
暗号資産市場については、FOMC発表後に米地銀・PacWestの身売り検討の報道を受け、BTCは上昇に転じ、28,000ドル台前半から29,000ドル台まで値を戻す動きを見せた。暗号資産は金融危機への中央集権型組織による対応に反発し、中央銀行の意向では発行・管理することのできない分散型の価値保存手段として生み出された背景がある。3月から続く金融機関を巡る不安が生じる中で、投資家の既存金融システムへの信用が毀損するという材料がBTCの上昇に繋がるトレンドは継続しているといえるだろう。
アルトコイン市場では$AIDOGEや$PEPEなどの「ミームコイン」の大きな上昇を観測した。世界的な暗号資産市場に対する投資家の旺盛な投資意欲が確認された一方で、トランザクションの増加によるガス代の急騰という現象も確認された。
今週も重要な経済指標である米消費者物価指数(CPI)が控えている。先週乱高下のあった米金融機関の動向にも気を配りつつ、引き続き米経済の動向と政策金利の見通しに注意した投資判断を行いたい。
1:BTC/USD週間チャート(30分足)
2:BTC/JPY週間チャート(30分足)
4/30~5/6週の主な出来事
【5/7~5/13週の主な予定
今週のひとこと「ミームコイン」
「ミームコイン」は、インターネット・ミームを元にしたコインのことを指します。ミームとは、インターネット上で広く共有されるアイデアや風刺、ジョークを元にしたコンテンツで、テキスト、画像、動画など、様々な形で拡散され、話題となっています。
代表的なミームコインは時価総額ランキング8位のドージコイン($DOGE)、同15位の柴犬コイン($SHIB)、同91位のフローキコイン($FLOKI)、同534位のモナコイン($MONA)などです(※1)。
今までのミームコインは、2021年にイーロン・マスクが言及したことで大流行したドージコイン、ドージコインへの対抗として生まれた柴犬コイン、イーロンの飼い犬の名前を由来とするフローキコインを始め、犬にまつわる通貨が主流でした。
新たに登場したカエルのミームをモチーフとするペペコイン($PEPE)は、4月中旬の発表以降、5,700%以上もの価格上昇を見せました(※2)。時価総額ランキングも44位と、主要通貨と言っても過言ではない規模に成長し、暗号資産市場参加者からの注目を集めています。
※1)時価総額は5/6現在、coinmarketcapのランキングを参照
※2)coinmarketcapの4/17終値と5/5終値を比較
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