2/12~2/18 週のサマリー
- BTCは$25,000台に到達
- BinanceブランドのステーブルコインであるBUSDの新規発行が停止するとの報道により、Binanceへの信用不安が起こり、アルトコインを中心に下落。
- 強い経済・物価指標が相次ぎ、米金利市場はFED高官のタカ派発言に見合った上昇を見せるも、米株式市場は引き続き堅調で暗号資産市場も買い基調で推移
暗号資産市場概況
2/12 ~ 2/18週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+15.13%の3,302,350円、ETH/JPYの週足終値は同+12.27%の226,400円となった(※終値は2/18の当社現物EOD[2/19 6:59:59]レートMid値)。
週初の暗号資産市場は、大手取引所BinanceブランドのステーブルコインであるBUSDの新規発行が停止するとの報道がBinanceへの信用不安につながり、アルトコインを中心に下落する展開となった。その後、Binanceが米国の規制当局及び法執行機関に対し罰金を支払う方向で検討中との報道もあり足元では落ち着きを見せているが、引き続き本件の再燃リスクは市場の懸念事項として注目される。今回のBUSDを巡る騒動ではUSDC発行元のCircleが関与しているとの報道もあり、代替ステーブルコインとなる、テザー(USDT)への資金流入の結果、同コインの発行額が急増している。
週半ばからは米1月消費者物価指数(CPI)と米1月小売売上高、米1月生産者物価指数(PPI)と重要な経済指標が相次いだ。これらは市場のインフレ鈍化期待を弱め、米経済が強いことを示す内容であった。強い経済指標が並んだことで米金利は上昇し、暗号資産はそれぞれの指標発表直後に下落で反応したものの、週間では大きく上昇した。
暗号資産が大きく上昇した要因としては、BUSDの件で溜まっていたショートポジションの買戻しフローが出てきたこと、強い経済指標が並んだとしても利上げの着地点は大きく揺るがないだろうという思惑や、米経済が強く景気後退は起こらない「ノーランディング」シナリオが見込まれていること等が考えられる。
今週は強い経済指標というデータが伴ったことで、FED高官の発言に耳を傾けなければならない局面となる。先週においても、米セントルイス連銀のブラード総裁と米クリープランド地区連銀のメスター総裁が揃って50bpの利上げについて言及したことがリスク性資産の下落につながっている。今週もFOMC議事要旨とPCEデフレータ等、経済指標とFED高官の考えを確認できるイベントがあり、引き続き注意したい。
1:直近30日間のテザー(USDT)の時価総額推移
2:BTC/USD週間チャート(30分足)
3:BTC/JPY週間チャート(30分足)
2/12~2/18週の主な出来事
2/19~2/25週の主な予定
今週のひとこと「NFT:非代替性トークン」
NFTとは、Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略で、ブロックチェーン上で発行されたトークンのうちトークン自体に固有の価値を持たせることにより、代替ができないトークンのことを指します。
逆にビットコインやイーサリアムなどのいわゆる暗号資産は法定通貨(ドル・円)のように代替可能なトークンなので、代替可能なトークンFungible Tokenと呼ばれます。
NFTの特徴は「唯一性」です。アートを例で説明します。かつてデジタルで作成されたアートは簡単にコピー・改ざんができるため本物・偽物の区別ができず、いわゆる実際の宝石や絵画のように資産価値があるとはみなされませんでした。しかし、ブロックチェーン技術を活用することで、デジタルアートに証明書や鑑定書を記録、相互検証をすることにより、コピーや改ざんをしにくくし、デジタルアート自体に価値を持たせられるようになりました。つまり「偽造不可な鑑定書・所有証明書付のデジタルアート」=「NFTアート」として発行が可能となったのです。これらにより、現在NFTオークションやマーケットプレイスでの利用が広がっているように、アーティストは適正な評価を受け、購入者は安心して売買できる市場が増えてきています。今後もアートに限らず、金融、不動産、ゲーム、音楽、トレカ、ファッションなど汎用性が拡がることでしょう。
このレポートについて
国内の暗号資産(仮想通貨)取引所「SBI VCトレード」提供の週間マーケットレポートです。毎週月曜日に最新のレポートをお届けしまします。
<暗号資産を利用する際の注意点>
暗号資産は、日本円、ドルなどの「法定通貨」とは異なり、国等によりその価値が保証されているものではありません。
暗号資産は、価格変動により損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性があります。
当社が倒産した場合には、預託された金銭及び暗号資産を返還することができない可能性があります。
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秘密鍵を失った場合、保有する暗号資産を利用することができず、その価値を失う可能性があります。
暗号資産は支払いを受ける者の同意がある場合に限り、代価の支払いのために使用することができます。