【2021年版】ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)業界を牽引する35人の「2021年の展望」

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ビットバンク 代表取締役CEO 廣末紀之

総じて良好な環境と考える。相場は、コロナの影響により、中央銀行の低金利政策、政府による財政政策の継続が想定され、運用難を背景に機関投資家の腰の入った資金が流入する動きとなろう。

資金はSECによるripple社提訴を契機とし、BTC/ETHへ集中する可能性が高く、BTCは過去2回の半減期経験則から、10万ドルを一つのターゲットに、今年度いっぱいは強気ムードが続く可能性が高いと考える。

また、産業面ではPaypal社の参入をきっかけとしてfintech業界などからの参入が想定されること、CBDC、DeFiの更なる進展など、暗号資産業界の多様性が拡大し、産業の裾野が広がる動きが出てくるであろう。

ビットバンク株式会社

Cryptoeconomics Lab CTO 部谷修平

2020年はDeFiもL2も盛り上がった年でした。昨年新しくEthereumに興味を持った方も多いのではないでしょうか。この流れは2021年も引き続きパブリックチェーン全体で継続するでしょう。

そして利用者も投資家も増え、新たにパブリックチェーンに課題を感じた部分もあるのではないでしょうか。我々としてはDeFiプラットフォームとしてのzkRollupに注目しており、引き続きL2を軸に開発を進め、ブロックチェーン業界に貢献していきます。

また発展しつつも混沌とし始めたDappsとL2の世界で、丁寧にユーザの課題に向き合い、解決していければ嬉しいです。

最後にCryptoeconomicsLabの2020年の振り返り記事を書きました。よろしければこちらもご覧ください。

Cryptoeconomics Lab

LayerX 代表取締役CEO 福島良典

2020年は国内においても、ファイナンス分野、B2B取引の分野、さらにガバメント・スマートシティの分野など、様々な領域でブロックチェーンの実運用・商用化が相次ぎました。2021年もこの傾向が加速するでしょう。

LayerXでは社会実装の上で重要になる秘匿化技術であったり、B2B取引、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の領域でR&Dを強化しており、引き続き世の中に役立つアプリケーション作りに注力していきます。

株式会社LayerX

日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部 業務執行役員 金融イノベーション本部長 藤井達人

注目すべきは暗号資産を含むデジタルアセットエコノミーの躍進だ。暗号資産はBTC・ETHを中心に引き続き機関投資家の注目を集め、現物・投信・デリバの各市場が賑わうだろう。

代替資産を裏付けとするSTOも海外ではエコシステムの発展が急速に進む。特に上位の国際金融都市ではエコシステムに絡むプレーヤー誘致とデジタルアセット取扱残高の積上げを積極的に図り、BCベースの決済システムと接続し効率的な市場の形成を競うようになる。

さらには、分散型金融のプロトコルがバックポートされ、キャピタルマーケットのさらなる進化を促す兆しが見られるかもしれない。

また、大手金融機関がステーブルコインを金融決済の現実解として採用し始めると予想。

日本マイクロソフト株式会社

グラコネ代表 ミスビットコイン 藤本真衣

ビットコインは世界史の一部です。1企業、1国の話はなく、全世界規模・人類規模の話なのです。Satoshiが込めた意図を改めて思い出す時です。

Satoshiがあのタイミングで問題提起をした事はまるで未来を既に知っていたかのような正確な指摘でした。2020年の新型コロナの影響による量的金融緩和により米上場企業や機関投資家ビットコインを新しい純金として目をつけ始めましたが、これは始まりに過ぎません。

例えば中国では、アントグループIPO中止の衝撃から加速する人民元からビットコインへのキャピタルフライトが起こり、まさに世界史の中心にビットコインがあります。

株式会社グラコネ

ITジャーナリスト 星暁雄

2021年、社会的インパクトが大きな暗号通貨関連の動きは米国主導と予想する。決済アプリが暗号通貨を、銀行がステーブルコインを扱う。

一方で規制も強まり、ICOだけでなくDeFi、ウォレットサービスなどが証券法違反やマネーロンダリングの疑いで摘発される可能性もある。

中国では民間マネーのAlipay、WeChat Payから中央銀行マネー(デジタル人民元)への移行を進めながら、暗号通貨への締め付けが続く。日本の規制は暗号通貨(暗号資産)を一部投資家のための「怪しいもの」とみなし主流金融から排除したため、大きな変化は望めない。

その中で前払式支払手段扱いの日本円連動ステーブルコインJPYCには注目している。

星暁雄

Ethereum Foundation 宮口あや

昨年はCovidや政治的問題の影響により、国を跨ぐビジネスや協力活動、透明性のあるガバナンスの必要性が一般の人の目にもより明らかになりました。

その必要性を支える分散型技術が、パブリックなブロックチェーンであるイーサリアム。初期に困難だったセキュリティやプライバシーのソリューション技術も向上し、今年は既に出てきている金融、政治、医療、教育と全ての分野でのブロックチェーン上のアプリケーションの数が増え、更に世の中の問題の解決策を提供するでしょう。

プラットフォームレベルではスケーラビリティと共に環境のことも考えるETH2.0の最初の段階を終えましたが、2021年にはさらなるアップデートとETH1とETH2.0の合併が進められます。

Ethereum Foundation

みんな電力 専務取締役 三宅成也

みんな電力は2018年にブロックチェーンを活用した電力取引・トレーサビリティシステムを商用化し、発電所を指定して再エネ電気を購入できる電力小売サービスを実現しました。

現在、RE100を標榜する法人企業を中心に約370契約で電源を指定した電力供給を行っています。 これらの電力取引における実績を基に、他分野でもブロックチェーンを活用したトレーサビリティシステムの構築に挑戦していきたいと考えています。

例えば、建築用木材の産地証明を行うシステムや児童労働に関与しない希少金属のサプライチェーンを透明化するシステムなどです。 ブロックチェーンはあくまで手段の一つ。

みんな電力は「生産者が見える」「誰かとつながる」など、特別な体験を提供することで社会のアップデートに取り組んでいきたいと考えています。

みんな電力株式会社

ソラミツ CEO 宮沢和正

今年はリモート社会がさらに加速し①物販、教育、医療、金融、電力など様々な分野でデジタル化が進展②地域創生やスマートシティなどにより地産地消が進み地域に付加価値を確保③AIなどを活用したデータ利活用により企業活動が活性化し新たな付加価値を創出。

重要なことは、これらヒト・モノ・カネのデータの信用の土台を確立し、分散型で相互運用性のある社会システムを構築してゆくことである。ブロックチェーンはその為の技術の一つである。

いよいよ今年は日本銀行も中銀デジタル通貨の実証実験を実施するが、ブロックチェーン技術の自治体、企業、金融への適用も大きく進む一年になると期待している。

ソラミツ株式会社

SBI R3 Japan ビジネス開発部長 山田宗俊

「10年後に自分達の存在意義はなくなる」、業界のリーダー企業が口を揃えて言う危機意識です。2021年は、この危機意識を行動に移す業界リーダーと、これまで通り”様子見”する企業とで差が付く1年になると思います。 2020年以降、確実に業界横断・サプライチェーン横断のプラットフォーム構築が進展しています。

少額短期保険業界のSTATICEはその一例を言えるでしょう。年末に経済産業省が発表したDXレポート2においても、”共通プラットフォーム”というというキーワードが出てきています。

お客様にとって有益なデータを安全に流通させるための新しいエコシステム確立に向けて、業界リーダーによる主導権争いが加速すると予想しています

Stake Technologies CEO 渡辺創太

2021年注目していることが2つあります。1つ目はDAppsにおけるEthereum 1強体制が続きレイヤー2アプリケーションが勃興するのか?それともマルチチェーン化が進みPolkadotのようなプラットフォームにDAppsが移るのか?もう1つはオンチェーンガバナンスです。

ガバナンストークンを発行しているプロジェクトのトークンモデルが比較と検証のできるフェーズに入るのでブロックチェーンのガバナンスモデルが広く議論されることになると思います。

両者ともパブリックブロックチェーンを事業者としてやっていくにあたって非常に重要な問題だと思います。我々もより最先端の議論や実装に参加できるように頑張ります。

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