業界を牽引する有識者の「2022年の展望」(page 3)
ふーさん
2022年の注目はICP ZRU 匿名化 zkとDID。
サービスへの応用が花開く準備若しくは幾つかユースケースが出てくる。今のWEBはIDもデータもサービスもクローズしてます。ブロックチェーンの世界は基本オープン。その性質上秘匿化しないと扱えないサービスがたくさんあります。すなわち先ほど申し上げたポイントが改善すると一気に鼻開くのではと期待してます。サービスが花開けばデータの保存、複雑なコンピューティングなどの需要も増えてくるでしょう。
ところで、私はもともと短期は読まないので2022年の展望とゆうよりも期待ですね。当てに行くタイプじゃないのでこうなるだろうなとゆう朧げな展望を見るタイプ。間違いなくある市場と確立待ちの確かな技術の組み合わせから先を見通します。 2022年は何が出てくるとゆうよりも低廉で高速な取引が新しい市場を作り出すことだけは見えてる。
L2元年による外部経済との接続をより一層深めてくれるだろうなと思ってます。今年のNFTがそうであった様にね。 DeFiはもうなる様になるイメージ。そうゆう意味で大人の世界にお渡ししてワクワクポイントは今のところほぼなくなりましたw 2022年は外部経済との接続がどれだけ進むのか規制との向き合い方が決まれば自ずとスピードアップされるのではないですかね。
日本マイクロソフト エンタープライズサービス事業本部 業務執行役員 藤井達人
すでにブロックチェーンの概念は(少なくともビジネスシーンにおいては)広く認知が進み、様々なユースケースが生まれています。 今年はより一層、社会実装が進むことが期待されるところですが、世界的な課題であるSDGs、ESG、とりわけサステナビリティの分野でブロックチェーンの活用が進むのではないでしょうか。
JBAでも今年、サステナビリティ分科会を立ち上げ、気候変動対策、食糧問題、人権問題などでブロックチェーンの活用を進めるべく、活動していく予定です。 暗号資産、NFTについては、引き続き市場が拡がり、より一層多くの業界で採用されることになるでしょう。DeFiに対する規制の進展も注視したいと思います。
→日本マイクロソフト株式会社
グラコネ/ミスビットコイン 藤本真衣
2022年は、web2.0かweb3.0か”生活圏の二極化”が進む年になると思います。NFTバブル崩壊に合わせて「NFTオワコン」を煽る層も増えると思いますがそんな議論どこ吹く風で、web3.0メタバースは急速に進化し続けて新しい雇用を産んでいくと思います。
一方、web2.0の世界では大した変化が起きないで今まで通りの日常が続いてるように見えると思います。日本は特にweb2.0側だと思います。また徐々に経済圏、生活、資産自体がweb3.0型メタバースに移るに連れて分散の重要性が再注目され始めると思います。
そして、ETH2.0によりETHがPoSになり今までの一万倍エコになるので、cleanNFTを売りにしていたチェーンは少し苦しい展開になると予想します。最後に、個人的にはBitcoinはLightning Networkや、EthereumのL2周りは1番勉強しなくてはいけないと思ってます。
フリーランスITジャーナリスト 星暁雄
2021年の印象的な出来事は、イーサリアムの混雑と手数料高騰を避けたユーザーが新興チェーンに続々と移行したことだ。統計サイトDeFi Llamaによれば、2021年末までにイーサリアムのTVLドミナンスは66%台まで低下した。一方で、BSC、Solana、Avalanche、Polygonなど新興チェーンが台頭した。いわば首都圏の混雑や地価高騰を避け、首都圏周辺の都市が発達するような現象が起きた。
2021年には、Arbitrum、Optimismと、Rollup技術を用いたイーサリアムのL2も立ち上がった。混雑した首都圏に、高速道路や地下鉄が開通したようなものだ。
2022年には、イーサリアム互換チェーンや、イーサリアムと親和性がある新興チェーンを含めた「イーサリアム圏」の拡大が続くだろう。 暗号通貨と実社会の接点として重要なのはステーブルコインだ。1年前の予想で、前払式支払手段扱いの日本円ステーブルコインJPYCに注目していると記した。この1年でJPYCは躍進した。イーサリアム互換新興チェーンの一つであるPolygonのエコシステムでJPYCはある程度の流動性を獲得し、使われ始めている。
発行元のJPYC社はシリーズAで5億円の資金調達を果たした。「ERC20規格という技術的手段と、前払式支払手段という法的枠組みにより日本円連動ステーブルコインを作る」というアイデアが、ちょうどタイミングよくDeFiやイーサリアム互換新興チェーンの勢いに乗った形といえる。
イーサリアム圏の興隆を見れば分かるが、大事なのは要素技術だけでなくエコシステム全体の整備だ。Web3と呼ばれるムーブメントも、エコシステム整備の一環として興味深く見ている。
それとは別に気になるのはビットコインのL2であるLightning Network(LN)の動向である。LNはすでに使われ始めているが、2022年にどのような変化が起きるのかは要注目といえる。
→星暁雄
Kyber Network Japan Maneger 堀次泰介
2021年は、エルサルバドルのビットコイン政策やNFTの華々しい一般社会デビューが印象的でした。全世界、全世代の隅々までクリプトの存在が知れ渡った、業界史的にも貴重なムーブメントが巻き起こった年となりました。 2022年、この動きを追随する国家や企業も現れることが予想されますが、同時にネガティブキャンペーンも本格化するでしょう。
資産として、技術として認められるほど、環境問題、ボラティリティ、マネロン、セキュリティ、詐欺…など、一見して分かりやすい批判が至る所で取り沙汰される土壌が整うからです。
ここで明確な反証や補って余りあるメリットを示せない限りは、「アダプション」の意味では少し停滞、むしろ後退する2022年になるのではないでしょうか。こういった強まる批判に対する業界プレイヤーの立ち振舞い、それに対する社会のリアクションを楽しみましょう。
→堀次泰介(hory氏)
マネックス証券/マネックス・ユニバーシティ マネージャー 暗号資産アナリスト 松嶋真倫
2021年は暗号資産がデジタルアセットとして金融市場の一部になった年でした。DeFiやNFTといった次世代の金融市場が発展した年でもありました。 2022年は既存の金融マネーがさらに暗号資産を中心とするデジタルアセットへ流れる年になると思います。各国の金融引き締め策への転換とともに暗号資産からリスクマネーが引き上げられる懸念はありますが、人々の生活がデジタルへと移行し、そこで様々な価値を媒介する手段として暗号資産が注目される潮流は不可逆的です。
米国では暗号資産の投資環境だけではなく決済環境も整備されつつあり、また、DeFiやNFTに関連して「暗号資産」を感じることなく楽しめる環境もゲームやアート、スポーツなどの領域でますます広がることでしょう。その一方で金融市場の立場からデジタルアセットの動きをコントロールできるよう、ステーブルコインなど新しい規制の動きも出てくると思います。
NFT情報コレクター miin
21年はNFTの総取引量が昨年比4万%以上と開花した年となりました。 本年も、年初から記録的な取引量を誇るなど勢いが衰えない印象です。 年末にかけてアディダス、NIKE、スクウェア・エニックスなど大手企業の本格参入の姿勢を発表したことにより、多くの企業がNFTへの参入を計画している中かと思います。
ただし、参入ハードルの高さや詐欺/偽物の横行、環境問題など普及するには解決されるべき課題も多数。「デジタルアイテムに価値を感じることができる」というニーズは実証されつつあるため、さまざまな文化が育ってきた過去と同じく”必要とされたものを使うために解決されていく”のではないかと期待しています。
NFTでは日々ワクワクするような新しいアイデアやプロダクトがリリースされています。今年も世界を驚かせるニュースを観測できることを楽しみにしています ★*(キラキラ)
ソラミツ 代表取締役社長 宮沢和正
今が歴史上の技術の変曲点。後世になって、なぜやらなかったのかと後悔する” ブロックチェーン技術について、このように述べている学者がいます。 2022年は、ブロックチェーン業界もいよいよ実証実験から商用サービスへと大きく変化してゆく年になると、肌身を持って感じています。 今年に起こる4つの変化を予測します。
(1)デジタル人民元が北京オリンピックを皮切りに運用開始され、様々な国のCBDC検討に対して影響を及ぼすでしょう。ソラミツもカンボジアに続いて、ラオスやフィジーなど太平洋州4カ国でのCBDC検討を進めていますが、特に開発途上国や島嶼国では、CBDCの検討が加速されるでしょう。
(2)日本においては、民間のデジタル通貨プラットフォームの展開が進むでしょう。マイナンバーカードと連携したデジタルIDとデジタル通貨の自治体への導入が進み、新型コロナ給付金をデジタル通貨で配布する自治体も現れるでしょう。
(3)COP26やグリーン政策により、再生可能エネルギーや素材のリサイクルが進みブロックチェーンが活用されていくでしょう。
(4)メタバースと現実社会の連携が進み、メタバース上でのNTFや越境通貨の活用にブロックチェーンが活用されていくでしょう。ソラミツは、2022年にスタートするANAのバーチャルトラベル・プラットフォーム上で、NFTや越境通貨の技術を提供していきます。
1SEC 代表取締役CEO 宮地洋州
2022年はデジタルファッションが大きく注目されるようになります。2021年は弊社が手掛けた日本初のバーチャルスニーカーが5ETHで落札され話題を呼び、海外では私達と同時期に創業されたバーチャルスニーカーやアバター等を手掛けるRTFKTが 2021年12月Nikeに買収され、デジタルファッション領域が注目を集めました!
NFTもユーティリティが重要なポイントになってきます。デジタルファッションはARで自らに着用させたり、メタバースプラットフォームで自分のアバターに着用させて仮想空間を楽しむようになってきます。日本初のデジタルファッションレーベル1BLOCKはそうしたマルチバースな取り組みを世界に先駆け構築し、WEB3を盛り上げていきます!
Hashpalette/HashPort CEO 吉田世博
2021年は、NFTが国内外で大きな注目を集め、普及のキャズムを超えたと考えております。前年のNFTの流れを踏まえ、「Web3.0元年」となる2022年においては、以下の日本市場において、以下の2つのトレンドを予想しております。
(1)Web3.0企業によるIEOの増加 2021年に弊社子会社のHashpaletteが日本で初めてのIEOを実施し、10億円の募集に対して224億円以上の応募集め、市場の強いニーズを証明しました。日本国内でDay1から合法的に日本円に替えられる暗号資産の発行は、DAO化を目指すWeb3.0企業のインセンティブ設計の幅を大きく広げることができ、国内でIEOに挑戦するWeb3.0企業がさらに増加すると考えております。
(2)GameFi領域とメタバース領域でのNFTの普及 2021年は、NBA Top Shotを皮切りにコレクタブル領域が中心となって、まさに「NFTの年」となりました。2022年は、Axie Infinityの成功とメタバースの世界的な注目を受けて、GameFi領域とメタバース領域に主戦場を移す形で、NFTの普及はさらに進むと考えております。日本においても、多くのNFTゲームがリリースされる年になると思います。
Stake Technologies CEO 渡辺創太
2021年はEthereum以外にもSolana、Polkadot、Avalancheなど複数のL1チェーンが乱立するマルチチェーン元年になりました。一部ハイプに近い現象でしたが22年はより実態をともなったマルチチェーンの年になると思います。複数のネットワークが乱立したときには、ネットワーク同士を接続するブリッジ機能が重要になります。
Astar Networkとしてこのブリッジ機能を複数チェーンに対応させることを今年のQ2めどに実施し、スマートコントラクトのハブとなれるように勝負していきます。
Concordium CEO Lone Fønss Schrøder
2022年を迎えても、レイヤー1ブロックチェーン、クリプト、それに付随するアプリケーションへの関心は続くと思われます。ブロックチェーンの展望にある興味深いトレンドは以下の通りです。
1.暗号資産を定義する時期;金融機関がクリプトスペースへ移動し、金融インフラストラクチャが構築され、暗号資産がより主流になっていく。
2.ステーブルコインに関する米国の規制;発行者は米国の銀行システムにアクセスできなくなる可能性があります;現金のキャッチ=22(動きのとれないジレンマ);誰もが発行するには銀行規制が必要だが、ステーブルコインの発行者は銀行規制を適用できない。EUでの規制は、ID / KYC / AML / MiFidのコンプライアンスに焦点を当て、匿名転送の終焉になる。
3.ステーブルコインの預金取扱機関からの発行がないことの問題;規制当局がステーブルコインへの対策を実施した場合、ビットコインの将来の市場はどうなるのか?規制があれば、より多くの人が関与できる。これはクリプトスペースにとって長期的にポジティブなことになる。
4.ビットコインの仲介者としての障害のリスク; ETFの現金決済機能はボラティリティを高め、人々が考えていたように安定していません。誰も資産を管理していません(金のクリアリングハウスは90%の担保管理です;ビットコインは反対に; 90%以上は個人です)。一時的に救済する手形交換所がないため、2022年、防護なしで実行されているETSの仲介者となります。ビットコインはこれ以上発行されなくなり、ボリュームが減少していく。
5.ゴールドマンサックスは、ビットコインが金の「価値の貯蔵機能」として、より多くの市場シェアを獲得すると見ている。ゴールドマンサックスは、ビットコインの浮動株調整後の時価総額は7000億ドル弱と推定している。これは、ビットコインと金で構成される「価値の貯蔵」市場の20%のシェアを占めるという。投資可能な金の価値は2.6兆ドルと推定される。グローバルFXおよびEM戦略の共同責任者であるザック・パンドル氏は、今後5年間にビットコインの価値貯蔵市場へのシェアが「仮に」50%に上昇した場合、その価格は10万ドル強に上昇し、17%または18%の年複利収益率となると、語った。
6. 各国のアクセレレーション(新興国の中央銀行が準備資産としてビットコインを蓄積、「ドル化するとシニョリッジの権利を失う」ビットコインに移行すると、この機会を再び得ることができる)。(外国通貨を法定通貨として採用する国は、通貨発行権から通貨当局にもたらされる利益であるシニョリッジを犠牲にすることになる。この発行に伴う直接的なコストは甚大であり、それはその後も年単位で続く。)
7.ビジネス – 機関、団体、小売業者が分散実行プラットフォーム上でどのように自らを改革できるか、どのようなサービスやビジネスモデルを提案できるか、またどのようにそれが可能になるをか模索し続ける中、ユースケースや革新的なアプリケーションは活況を程する。アプリケーション – スマートコントラクトに適した様々なプラットフォームで、分散型金融サービスが少しずつ増えている。しかし、この技術はまだ初期段階にあるため、これらのアプリケーションが繁栄するには多くのインフラを整備する必要があります。そしてもちろん、NFTの熱狂は続きます。
おわりに
この度は本企画を最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。またこの度後寄稿いただいた皆様にも感謝申し上げます。
これからも「あたらしい経済」は日本のブロックチェーン・暗号資産業界を、業界内の皆様、そして読者の皆様と一緒に盛り上げていけるようにメディア運営をしていたいと思っております。
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編集:設楽悠介・竹田匡宏・大津賀新也・小俣淳平・一本寿和・呉心怡(あたらしい経済編集部)
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