「個としての力をつけろ、会社はこうあるべきという幻想を壊せ」箕輪厚介という、あたらしい経済時代の働き方 13,000字インタビュー(1)

箕輪厚介

「個」としての自身のブランドを確立するために必要な2つのアクション

会社で働きながら「個」としての自身のブランドを確立するにはどのようなアクションをすればいいでしょうか?

「個」としての自身のブランドを確立するためには、2つのアクションが必要です。

まず1つ目は「意識を変えること」が大切です。本を読んだり、例えばオンラインサロンに入ったりして、世の中の最先端の情報を得ることはとても価値があると思っています。いま世の中がどうなっていてどのように変わろうとしているのか、そういった情報を感度高く得るためには書籍やWEBメディアを読んだり、オンラインサロンで活動したりするのは有効だと思います。

先日、学生時代に一緒にふざけて楽しく遊んでいた仲間に誘われて10年ぶりぐらいに飲みに行ったんですよね。そうしたらみんなそんな先端の情報にも触れていなかった。そういったビジネス書も読んでいなかったし、オンラインサロンのようなものの存在も知らなかったです。もちろんビジネス書を読んだりサロンに入ったりするだけがいいというわけではなく、つまり彼らは何かを学ぶことを辞めてしまっていたように見えました。

そして彼らは口々に今の仕事が辛いと愚痴っていました。好きでもない仕事を朝から晩までやって、それで給料もあまり良くないからそんなに飲みに行ったりもできないと。だから僕はその仕事の中でも、自分しかできないというような価値を見出して、ブランド力を高めないとこれからの仕事では食っていけなくなるよと話したんですが、それもみんなピンと来ていない感じでした。

そういう人たちと、僕の周りでいろいろな新しい働き方や活動をしている人たちの差って何かというと、最先端の情報に自らの意志で触れているかどうかだけなのじゃないかと思いました。

たぶん彼らには何も変えることができず、一生愚痴って生きていくのかもしれない。だからこそ、まずは情報を得て学ぶことは大前提として大切です。

彼らがもし何かのきっかけで僕が作った「Newspicks Book」レーベルの書籍を読んだり、有意義なオンラインサロンなどに触れたりしていたら確実に意識は変わっていたと思います。

もちろん最先端の情報を知って、世の中これだけ自由な生き方ができると分かった上で、その生き方を選択しているならば良いのです。でもそういった情報を知らずに生きるとこは、無意識に生き方の幅を狭めてしまっているといってもいい状態だと思います。

新しい情報に触れることを意識高い系と揶揄するよりは、明るくポジティブに好奇心を爆発して生きたほうがいい。

そして2つ目のアクションとして「死ぬほど努力をして何者かになる」ということが必要です。「意識を変える」ことと「死ぬほど努力をして何者かになる」の掛け算が成立してこそ「個」として何者かになれるのです。いくら意識を変えても「何かのジャンルで人に何かをお願いされるような能力」がなければ、意味がないと思います。

僕のサロンでも、サロン外で活躍している人は意識を変えた上で例えば自分のデザインや動画編集のスキルなどを活かして、どんどん外でプロジェクトをやっています。

何かトップレベルになるのが理想ですが、少なくともそれで飯を食える程度の能力がなければ、意識だけ変わっても、何者にもなれない。ただの意識高い人で終わってしまう。

情報だけインプットしている人も、たぶん自分で気が付いてくると思うんです。世の中のビジネス書の内容は大体本質は同じだし、それを読んでいるだけではダメだと。正直ビジネス書の内容は本当にどれもコアな部分は同じだと思います、だから宣伝ではないですが僕の今回の本はその総まとめだと思って、読んでください。ぶっちゃけ僕の本だけ読めば十分です(笑)。

僕が今まで多くのビジネス書を作って得た考え方や流儀をすべて込めて、さらに読んだ人をモチベートする書き方をした本なので、僕の本を読めば熱くなって意識が変わると思います。

そして読んだ後に、一度地に潜って自分が社会に提供できる価値は何か、とうようなことを考えて動き出して欲しい。それがなければ絶対意味はないです。

だから「個」としてブランドを高めるには本当に単純に実力があるってことが大切になってくるんですよね。残念だけれど、近道はない。

「自分はこの一点においては負けない」という能力を身につけろ

—箕輪さんの場合の、死ぬほど努力をして何者かになり得ている要素は「編集」でしょうか?

はい、編集です。僕の場合は、プロモーションまで含めて本というプロダクトを作って売る能力がおそらく人より高いので、そこばかり取り上げられます。でも、もしスマホを取り上げられてSNSが使えなくなったとしても、箕輪という名前を出さなくても、10万部を超える本を定期的出すことは淡々できると思っています。そこ確固たる自信がある。

でもその力は、本を読んだり、先輩に習って身についたわけではなく、学生の頃からmixi日記を書いていかにバズらせるかを考えたり、「NewsPicks Book」を死ぬ気でたくさん作ったり、つまり行動してきた結果備わったスキルなんです。

そして僕の編集スキルは、ある意味プロデュースともいえる普遍的なスキルだから、出版業界以外に行っても、通用すると思っています。

仮に自分が全てを失って、フォロワーをなくしても、名前を変えても、顔も整形しても、経歴をなくしても、また同じ結果が残せると思ってます。そういう「自分はこの一点においては負けない」という能力があるか、身につけられるかが重要だと思います。

「多動力だ!」と思い立って新しいサービスに次々手を出したりSNSで発信したりすることも、もちろん重要です。しかしそれだけではダメで「死ぬ気で目の前のことに努力をする」こととの両輪なんです。

−まだ自分のスキルが確立されていないのに、アクションすることは危険でしょうか?

僕は、本などに影響されてまだ「個」としての価値がない人がアクションするのは止めません。それも試してみればいいと思っています。

世の中は意外によくできていて、能力のない偽物が確固たる立場を築くことは実は難しいです。

だからそういったアクションを起こした人も、それがタイミングでなければ、あれまだ能力が足りてないんだと気づくことができると思います。「あれ俺ビジネス書に踊らされていただけ」だったと。それも一つの学びで、そこからでは自分には何があるかを考える、いいきっかけになると思います。

(つづく)

つづきはこちら→「常識や平均を突破できさえすれば、ビジネスや仕事なんて超イージーゲーム 」箕輪厚介という、あたらしい経済時代の働き方 13,000字インタビュー(2)

 

編集:設楽悠介(幻冬舎)・伊藤工太郎(幻冬舎)

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(マガジンハウス刊)

この記事の著者・インタビューイ

箕輪厚介

1985年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、2010年双葉社に入社。ファッション雑誌の広告営業としてタイアップや商品開発、イベントなどを企画運営。広告部に籍を置きながら雑誌『ネオヒルズ・ジャパン』を創刊しアマゾン総合ランキング1位を獲得。2014年、編集部に異動。『たった一人の熱狂』(見城徹)、『逆転の仕事論』(堀江貴文)を編集。その後幻冬舎に移籍し、2017年にNewsPicks Bookを立ち上げ、編集長に就任。『多動力』(堀江貴文)、『お金2.0』(佐藤航陽)、『日本再興戦略』(落合陽一)、『人生の勝算』(前田裕二)などを編集。創刊1年で100万部突破。また1300名の会員を擁する日本最大級のオンラインサロン「箕輪編集室」を主宰。既存の編集者の枠を超え、様々なコンテンツをプロデュースしている。著書に『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス刊)。

1985年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、2010年双葉社に入社。ファッション雑誌の広告営業としてタイアップや商品開発、イベントなどを企画運営。広告部に籍を置きながら雑誌『ネオヒルズ・ジャパン』を創刊しアマゾン総合ランキング1位を獲得。2014年、編集部に異動。『たった一人の熱狂』(見城徹)、『逆転の仕事論』(堀江貴文)を編集。その後幻冬舎に移籍し、2017年にNewsPicks Bookを立ち上げ、編集長に就任。『多動力』(堀江貴文)、『お金2.0』(佐藤航陽)、『日本再興戦略』(落合陽一)、『人生の勝算』(前田裕二)などを編集。創刊1年で100万部突破。また1300名の会員を擁する日本最大級のオンラインサロン「箕輪編集室」を主宰。既存の編集者の枠を超え、様々なコンテンツをプロデュースしている。著書に『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス刊)。

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