効率的な情報収集を
−平野さんは現時点のブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)に関する情報収集はどのような方法で行ってますか?
まずネットでは主にTwitterをチェックしています。やはり現状は海外でも日本でもTwitterが暗号通貨情報のハブになっていると思います。みなさんにもオススメなのは情報収集が上手い人がTwitterでフォローしているアカウントをフォローすることですね。そうするとその人のTLが自分のTLに再現できます。
その他、ネットにはそれぞれのプロジェクトのSlackやテレグラムなどもありますが、正直ノイズが多いので効率的ではないと思っています。
そしてオフラインでは海外のリーディングプロジェクトと直接話すことが基本ですし重要だと思っています。ミートアップやカンファレンスは情報収集の観点でいうと効率は良くないので行かないですね、そこで説明されることは大体ホワイトペーパーに書いてあるので。
Podcastも有効活用
—海外のメディアなどから情報収集はしないんでしょうか
もちろん海外のメディアは一通り見ていますが、やはりTwitterのタイムラインが早いという印象がありますね。ただ海外メディアですと「The Block」には注目しています。「The Block」は他のメディアよりも分析が多く、文章の長さがコンパクトで非常に読みやすいですね。最近はじまった有料版ももちろん登録しています。
そして海外の情報収集としてはPodcastも活用できると思っています。Podcastは非ブロックチェーンのものも入れて40番組ぐらい購読していると思います。
アウトプットとインプットのマルチタスク化はできないんですけど、インプットとインプットのマルチタスクはできるんですよ。つまり聞くことと読むことは訓練すれば同時にできるようになりますので、実践しています。
具体的には10分で記事を読みながら違うPodcastを聞いて、それぞれどんなことを言っているかをその要点を理解できたかをタイピングしてみる。そういった訓練をしてマルチタスク化できるようになりました。
そういった様々な情報のインプットがあった上で、トピックの選定と独自の分析やによるレポートを「d10n Lab」で配信しています。 レポートには考察も混ぜることをしていますが、インプット量は仮説や考察の幅を広げます。
おすすめの勉強方法
—平野さんのレポートを拝見していると、ブロックチェーンのプログラムの部分まで精通されて書かれていますよね。平野さんのようにエンジニアではなくてもブロックチェーンを理解できるおすすめの勉強方法などあれば教えてください
おすすめの勉強方法ですが一つはまずいい本をいくつか読むことだと思います。最近だと『ブロックチェーンプログラミングのためのコンピュータサイエンスがわかる本』という本が網羅性が高くおすすめですね。
そしてもう一つがアウトプットです。どんなものでも人に説明できてやっと理解ができると思いますので、その機会を作ることが大事です。だから僕の「d10n Lab」でもメンバーの方々にその機会を提供していたりします。「d10n Lab」に参加してくれている人がリサーチャーとして記事を書けるような取り組みをしていて、良い記事なら5万円くらい報酬をお支払いしています。
「Hash Hub」と「d10n Lab」のこれから
—最後に「Hash Hub」と「d10n Lab」、それぞれのこれからの構想などをお聞きできたらと思います
まず「Hash Hub」は、コワーキングスペース事業が目立っていると思いますが、現在も自社開発や企業案件を多くやっています。「Hash Hub」はこれからもブロックチェーン・スタジオ・カンパニーとして、外部とも協力しながらどんどんプロジェクトを形にしていきたいと思っています。
そして「d10n Lab」では引き続きこの業界で質と量のどちらも充実したレポート出していきたいと思っています。
さらに「d10n Lab」のコミュニティ運営で興味を持っているのが、部分的なDAO化です。コミュニティ内のリサーチャーに対する評価の透明性や報酬設計をコミュニティの中でガバナンスできる仕組みができるといいなと考えています。これについては中長期的に実現したいです。
「Hash Hub」と「d10n Lab」を通じて、日本のブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)業界をもっともっと盛り上げていきたいと思っています。
(おわり)
参考リンク
・仮想通貨(暗号資産)とブロックチェーンに特化したリサーチコミュニティオンラインサロン「d10n Lab」
・ブロックチェーン特化したコワーキングスペース「HashHub」
(取材日 2019/4/1)