「三島ウイスキープロジェクト」とは?
次世代クラウドファンディングサービス「FiNANCiE(フィナンシェ)」で、Whiskey&Co.主導の「三島ウイスキープロジェクト」が始動した。
「三島ウイスキープロジェクト」は静岡県三島市限定ウイスキーづくりを起点とした関係人口創出を目指すプロジェクト。内閣府の「関係人口」創出・拡大のための支援事業、令和3年度補正「中間支援組織の提案型モデル事業」に採択されているプロジェクトでもある。
具体的にこのプロジェクトでは「FiNANCiE」上でトークン「key3」が販売される。そのトークンの保有者にはウイスキーの購入権やその製造・販売プロセスへの参画権などを特典が付与される。
なお「key3」は初回販売で1口の10,000pt(FiNANCiEポイント)で購入ができ、1人あたり10口が購入上限だ。初回販売では2000口(2000万pt)分が用意されている(1pt=1円で購入可能)。
トークンに応じたウイスキーボトル製品購入権利
トークンの保有数をウイスキーの熟成年数に紐づけ、トークンの保有数が多いほど、熟成年数の長いウイスキーのボトル製品を購入できる権利を獲得できる仕組みだ。熟成年数は3年、5年、10年の3タイプあり、それぞれの熟成年数製品1本購入に必要な口数は1口、5口、10口となっている。
具体的には三島市内現地販売のボトル製品を、3年熟成物に関しては割引価格にていち早く通販購入が可能となる「優先割引購入権」を、5年、10年熟成物に関しては割引なし「優先購入権」を付与される。なお樽詰日は2023年4月を予定している。
「3年熟成物製品ボトル優先割引購入権(10%OFF)」は、ボトル詰めが開始される2026年6月より1口につき1本付される。
「5年熟成物」は5口で1本、優先購入権(割引なし)の付与される(2028年6月発売予定)。
「10年熟成物」は10口で1本、優先購入権(割引なし)の付与される(2033年6月発売予定)。
なお、どの熟成年数製品も権利付与に必要な口数を保有している限り、初回権利発生以降、継続して毎年権利が付与される仕組みだ。
上記のようにたとえば10口オーナーであれば、3年熟成物を10本/年、5年物を2本/年、10年物を1本/年、将来にわたって優先購入できる権利が付与される。
また2027年以降の優先割引購入権/優先購入権の口数あたり付与数については、トークンの販売状況を見ながら決定されるとのこと。
トークン購入者への充実したその他特典
またトークン購入者には、前述のウイスキーのボトル製品の優先購入権利に加え、以下の特典が付与される。
・トークン保有者限定コミュニティへの参加
・ウイスキー製造の各種プロセス(蒸留やテイスティング等)にまつわる投票企画や体験イベントへの参加権利
・初回販売記念オリジナルNFTプレゼント(配布タイミングは後日コミュニティで通知)
・ウイスキー優先割引購入権/優先購入権が付与されるまでの代替特典としてWhiskey&Co.社製造のウイスキー以外の「その他スピリッツ・焼酎(全国・通販で購入可能)」を10%引きでディスカウント購入可能な権利
さらに、ある一定の口数のトークンを保有しているユーザーへ、毎年抽選で樽のまま購入できる権利の付与を調整、検討されているとのこと。
→「FiNANCiE」のトークン詳細情報と支援コース購入ページ
キックオフイベントが三島市で開催
なお「三島ウィスキープロジェクト」開始を記念して、静岡県三島市の「みしまプラザホテル」にてキックオフイベントが10月13日に開催された。
面白法人カヤック 代表取締役CEOの柳澤大輔氏、一般社団法人NextCommons Lab 代表理事の林篤志氏、NPO法人みしまびと理事長の山本希氏、フィナンシェ 代表取締役CEOの國光宏尚氏がスピーカーとして、そしてWhiskey&Co.代表取締役 大森章平がプレゼンターとして、同社取締役・武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授の佐藤大吾氏がモデレーターとして参加した。
まず冒頭に大森氏が三島市でウイスキーを作ることの魅力、そしてプロジェクトについての詳細を解説した。
続いて柳澤氏がトークンを活用した街づくりについて、地域プロジェクトを実施することの課題について、そして林氏が自身の手がけた山古志DAOから得た知見をもとにした地方創生の可能性について語った。
國光氏は既存のクラウドファンディングでは不可能だった、トークンの価値をみんなで高めていく「FiNANCiE」の新しいファンディング魅力について、そしてDAOがこれまでファンクラブなどと違い、スケールした際に既得権益者と新参者の対立が起きづらいと解説。
山本氏はNPO法人の立場として、DAOという組織の可能性がNPOや地方などにどんな可能性をもたらすかについて参加有識者たちに問うた。
トークンを使ってコミュニティを作り、地方創生につなげていくことの可能性とそのにある課題について白熱したディスカッションが行われた。
イベントの最後に大森氏は「ウイスキーとトークンは相性がいいと思っている。大切なのは、どれだけ世界で評価される価値のあるウイスキーを作れるか、プロダクトをめちゃくちゃイケているものにするかが大切だ」と語り、今後もどんどんとその魅力を伝えるイベントを開催することを発表した。
発表された今後のイベントは以下の通りだ。
・10/27
キックオフ振り返り & key3で実現したい世界を三島の学生と語り尽くす会
@三島市 みしま未来研究所でのリアル開催とオンライン配信
・11/17
ウイスキー/バーボンの歴史と三島におけるバーボンスタイルウイスキー作りの可能性(仮)
@三島市(会場未定)とオンライン配信
登壇:静谷和典氏(8代目マスターオブウイスキー/BAR LIVET オーナーバーテンダー)、松山謙氏(Kens`bar オーナーバーテンダー)
・12/7
Web3×地域創生の可能性〜お酒造りを起点に作る新しい地域コミュニティ〜(仮)
@東京(会場未定)とオンライン配信
登壇:吉田秘馬氏(umari代表取締役/地域プロデューサー)、林厚見氏(SPEACE共同代表/東京R不動産ディレクター)、白木夏子氏(HASUNA Founder&CEO)
ウイスキー×トークンの可能性
「あたらしい経済」編集部は Whiskey&Co, 代表 大森章平氏に、本プロジェクトについてインタビューを実施した。
–ウイスキーに関するトークンを発行しようと考えた理由は?
私たちはトークンエコノミー自体に大きな魅力を感じています。そして「Power to the people」という要素もあるweb3世界観や、コミュニティが大きくなる、長く続くことそのものが価値を生み出すコンセプトが、ウイスキーが価値を生み出す本質や、ウイスキー作りを通して地域創生に向き合っていこうとしている当社の考え方に、ぴったりマッチすると考えたからです。
–どんな人にトークンを買ってもらいたいですか?
ウイスキーが好きな方、三島市と関わりたい方や地方創生に興味のある方、web3などのあたらしいテクノロジーに興味がある方などに購入していただきたいです。
–今回のプロジェクトは、参加者に他のウイスキー樽サービスと比べてどんなメリットがありますか?
まず、蒸留所を作るというウイスキー作りの最初のプロセスからサポーターが参加できることは、特にウイスキー好きにとっての体験価値としては非常に大きいと思っています。
また一般的に、人気のあるウイスキーはオークションで競り合ったり、お金を多く出した人がその権利を持っていく、という経済力が物をいう側面が強いものです。一方私たちのプロジェクトは、関わるサポーターにウイスキー作りへ参加してもらい、その対価としてそのウイスキーを所有できる権利を付与するという仕組みです。
このような仕組みは、ウイスキー愛好者にとって新しい価値となると考えています。
–今回のプロジェクトは具体的にどう地域創生となるのでしょうか?
まず今回のウイスキーは、三島の水や三島の原料などを使って作る、三島に来ないと買えない限定商品です。ただトークンを持っていれば、三島に来なくても購入できるのがポイントです。
これによって、まず三島の外の人に私たちの商品を通して三島を好きになってもらうきっかけがつくれるのではないか、三島市への関係人口の創出につながるのではと考えています。
その上で、私たちの提供するウイスキー作りのプロセスに参加してもらうことや、醸造所自体を街のランドマークにしていく活動で、実際に街に来てくれる人も増やせると思っています。
兎にも角にも肝は最高のウイスキーを作れるかどうかです。これを皆さんと一緒に作ることができれば、自ずと商品に人気が出て、コミュニティも大きくなり、三島のファンが増える。そして三島がこのプロダクトで有名になることで、三島への来訪者が増え、結果として経済的な貢献もできる。これが私たちの目指している地方創生の形です。
トークンの購入や特典の詳細はこちら
10月13日より「FiNANCiE」にて販売されたトークン「key3」だが、販売後数日でで既に529口(5,290,000円分)が販売されている(記事執筆 10/18 時点)。
ぜひ最高のウイスキーを作るこのプロジェクトに参加したいと思った方は「FiNANCiE」のページで詳細情報をチェックしてみてほしい。
※「FiNANCiE」で発行されているトークンは、本記事で紹介したトークンも含め、金融商品取引法上の有価証券ではなく、資金決済法上の暗号資産(仮想通貨)ではありません。