FiNANCiE事業を推進し、夢を叶えられる多くのチャンスを世の中につくりたい~フィナンシェCOO前田英樹氏インタビュー

前田英樹

「あなたの夢が、みんなの財産になる」がコンセプトの次世代型SNSサービスFiNANCiEのCOO前田 英樹氏。そんな前田氏に「自身がオーナーになった経緯や、FiNANCiEコミュニティについて」など語っていただいた。

前田氏がブロックチェーンに興味をもってFiNANCiEのCOOになったのは

– FiNANCiEのCOOになられるまでの経歴を教えてください

僕はトヨタ自動車のグループ会社でカーナビのコンテンツを作っていたんですが、30歳を超えてインターネットの仕事がしたくなって楽天に転職しました。楽天では、メディア事業の立ち上げや、既存のメディア事業の改善業務をグループマネージャーとして3年程担当しました。

その後、株式会社モブキャストに転職し、スポーツメディアの編成責任者や、ゲームプラットフォームおよびゲーム事業の責任者、韓国子会社の代表、ゲーム事業の管掌役員など様々な経験をさせていただきました。

そしてその後、國光と出会ってgumiに転職し、そこからスピンアウトして今年の1月よりフィナンシェCOOをやっています。また5月からgumi Cryptos取締役COOとしてブロックチェーン事業全体もみています。

gumiに入ったのは、gumi自体がXR領域、ブロックチェーン領域など新規事業に積極的に投資していること、國光のビジョナリーな部分に感銘を受けたからです。そして僕がビジョンを持っている人を助けるのが得意なタイプだと自分では思っているので、1度の人生こういった尖った人と仕事をしたいという想いからでした。

gumiに入ってすぐに今のFiNANCiEの構想を國光、フィナンシェのCEO田中、CTOの西出たちと考えていって、それが今の形になったのは2018年の秋頃で、そこから僕は採用、組織編成からはじめて、プロダクト開発を急速に進めていきました。

FiNANCiEの開発は当初はgumi中心で進めていたんですが、今年の1月から株式会社フィナンシェをスタートしました。それまで僕が実質COOの仕事をやっていたので、その流れで僕がCOOに就任することになりました。

-ブロックチェーンに興味を持ったきっかけを教えてください

僕が興味を持ったのは実はそんなに早くはありませんでした。きっかけは2016年に雑誌『WIRED』のブロックチェーン特集を読んだことです。

当時僕はモバイルゲームを担当していたのですが、その市場が厳しくなってきて、新しいジャンルにアンテナを張ろうとしていた時期でした。

ブロックチェーンで興味を持ったのは、ビットコインの特徴である分散型・自律的・トラストレスのなかで、特に自律的にネットワークに貢献した人がインセンティブをもらってネットワークが動いていくところで、すごく面白いなと思いました。

そうはいっても、その時にビットコインを買うこともなく、時間が過ぎていきました。しかし、その後CryptoKittiesというブロックチェーンゲームがリリースされて、その時期から改めて興味を持つようになりました。

前職でゲーム事業に関わっていたので仕組みが理解しやすかったですし、アセットをNFTとして取引ができることにすごく魅力を感じました。またALISさんのイベント参加のインパクトも重なり、そこからトークンエコノミーやそのコミュニティの強さ、仕組みにも興味を持つようになりました。

また、取引所でトークンをフィアットや他の仮想通貨に交換できる出口があること、参加している全員が個人間で即時にトークンのやり取りができるところも素晴らしいと思います。こういったトークンエコノミーの分散型で自律的かつトラストレスなエコシステムは、もちろん技術的にはまだまだ制約がありますが、ブロックチェーンの未来を感じています。

FiNANCiEのすべてが仕事のCOO。前田氏自身がオーナーになった理由とは

-今COOのお仕事で一番注力されていることはなんですか?

COO(最高執行責任者)の名の通り、とにかく事業推進をしていくことですね。僕の役割は、事業を実行して実現していくことだと思っていますので、会社ではバックオフィス以外は全て見ています。

具体的には企画、開発、オーナーのリクルーティング営業、そして、これから広告含めたプロモーションもやっていきます。その他にも今回サービスで扱っているのが人である「オーナー」なので、コミュニティマネジメントにも力を入れています。

組織全体を横断的に見て、どのように実行していくかを考え、実際に実現していくことが僕の仕事です。

-全部やるという意味でもご自身がオーナーになられてるんですか?

僕は結構いい歳なんですけど、とはいえ夢もしっかりあるし、やりたいこともたくさんあるんです。だからそれを実現していくために社内でもう少し自分も発信していったり、自分の価値を世の中に広めていったりしたいという話をしたんです。そうしたら「じゃあオーナーとして出てみなよ」とみんなに言われました。

確かにまず自分自身がオーナーとしてきちんとやっていけるくらいでないと、夢は実現できないなと思ったのが自らオーナーになった理由の一つです。

また誰か社内の人間がオーナーをやっていないとUI/UXについてや、オーナーの苦労やコミュニティマネジメントなども知ることが出来ないと思ったのもオーナーを担った理由に1つです。

後者についてはやってみて分かったことが多かったので、オーナーになって良かったと思っています。

-オーナーをやってみて初めて分かった苦労はなんでしょうか?

コミュニティの運営は起業家とほぼ同じぐらいに本気でやると大変だと聞いたことがありました。

FiNANCiEのオーナーも同じで、コミュニティの運営はそもそも大変ですし、そのなかで提供する情報を更新するのも、ユーザーとコミュニケーションをとるのも大変です。まず物理的な時間の捻出がなかなか大変だと感じています。ここに関してはサービス内で仕組み化して、できるだけ簡単にしていきたいです。

他にもサポーターの方から色々と要望が来るんですよ。ユーザーの方が時間・労力をかけて自分に連絡くれるのはすごくありがたいなと思います。僕の場合はオーナーとしての僕への要望だけではなくて、FiNANCiEへの要望もいただけるのでありがたいですね。

この前もFiNANCiEへのアイデア募集をやったんですけど、40〜50件すごい長文で来ました。かなり細かく提案をいただいて、こんなに丁寧に、スピーディーに提案してくれるんだと思えたのは自社のプラットフォームであるにも関わらず感動的でした。

その時に、これがやっぱりコミュニティの力で、この感動をうまく他のオーナーの方にも提供できたらいいし、オーナーと同じようにサポーターの方も感動が味わえるといいと感じました。その感動がFiNANCiEの中でうまく循環していくと、より面白くなると思っています。

−コミュニティ運営で参考にされた会社はありますか?

僕がブロックチェーン事業にコミュニティ要素を含めることを決めたきっかけはALISさんのコミュニティの存在でした。 

僕はALISさんのオープンベータ版のローンチイベントに参加したんですが、かなりの数のファンが集まっていて、そこに集まった人たちは僕が今まで見たことがないような熱気があり、これまでのインターネットサービスのコミュニティとは全然質が違うのを間近で感じました。

当初のFiNANCiEの構想はカードの売買だけだったんですが、ALISさんのイベントに参加してみて、やはりFiNANCiEにはコミュニティがくっつかないと意味がないと再検討してサービスを始めました。

ALISさんのブロックチェーンコミュニティの盛り上がりはすごいですよね。もちろん僕らも同じ思想でやってはいるんですが、まだサービス自体にコミュニティが醸成されてないので、もうちょっと土台作りをして自律的にコミュニティがFiNANCiEを応援してもらえるような環境をつくれたらいいなと思っています。

もともとFiNANCiEはブロックチェーン色を薄めて世の中に出すことを計画していたのと、円決済にすることが重要だと考えていました。日本でやるにはそれしかなかったのと、マーケットのサイズ感を考えても円決済で進めることが重要だと考えて進んでいました。

一方そうしたことで反対にブロックチェーンの色がだいぶ薄まってしまって、ブロックチェーンコミュニティの強みが薄くなっているなと感じています。

FiNANCiEでコミュニティがより盛り上がる仕組みをどう作るかは常に考えています。やはりコミュニティが盛り上がるのには自律、分散が機能するインセンティブ設計が必要だなと思っています。例えばALISさんでは、サービスが多くの人に利用され盛り上がり、結果としてALISトークンの価値を上げるエコシステムがあるので、ALISコミュニティの方たちは一生懸命ファンを広げていると思います。

本田圭佑氏よりもらった言葉「情熱」

-先日サッカー選手で投資家の本田圭佑さんがFiNANCiEのアドバイザーに就任したことが発表されました。具体的には本田さんはどのようにFiNANCiEと関わっているのですか?

本田さんにはメッセージのやりとりをさせていただいて、アドバイスをいただいています。また先日帰国されているタイミングでフィナンシェのオフィスにもご来社いただきました。 

いろんなアドバイスをいただいているんですが、例えばオーナーのリクルーティングについては、本田さんから「情熱がある人」を基準としたほうがいいのではないかと助言いただきました。本田さんは「やっぱりサッカー下手でも本気で頑張ってるやつ応援したいじゃないですか、やっぱ情熱ですよ」とおっしゃっていて、僕もその言葉が心に響きました。

FiNANCiEをみた宮口礼子氏は

-本田さんのアドバイザー就任と合わせ、イーサリアムファウンデーションの宮口礼子さんもアドバイザーに就任されましたね

宮口さんにはじめにお会いしてFiNANCiEをプレゼンした時、宮口さんからFiNANCiEのコミュニティスコアのメカニクスや、コミュニティの仕組み、Bancorを利用したマーケットプレイスなどについて「こういうふうにゲーム感覚でカジュアルにブロックチェーンが使われるのが非常に面白いし、最初のブロックチェーンのフェーズとしては普及するのにすごい役立つからいいね」と言っていただいて、これは今でもすごい励みになっています。

FiNANCiEはイーサリアムのブロックチェーンを使っているので、宮口さんには定期的にイーサリアムの最新情報を教えていただき、さらにこれからの正式リリースの際にはいろいろとアドバイスをいただく予定になっています。

今後のFiNANCiE

-FiNANCiEの目標やロードマップを教えてください。

2019年9月上旬に正式リリースを予定しています。

いままでFiNANCiEはWebのみのサービスでしたが、今回の正式リリースでiOSのネイティブアプリを出します。

このFiNANCiEアプリを使うことで、いままでよりも気軽にオーナーがサポーターに相談したり、サポーターがオーナーへ支援をすることができます。オーナーとサポーターの交流が、より活性化するのを期待しています。

また正式リリースに伴ない、オーナーの一般公募も開始します。審査制にはなりますが、年齢を問わず募集をする予定です。もちろん保護者の同意は必要になりますが、未成年もオーナーになるチャンスがあります。オーナーになる人数は広げていきたいと思っています。そしてこのタイミングで、一般の人に向けてのPRが強化していければとも思っています。

加えて、グローバル版も来年前半のどこかのタイミングで出したいと思ってます。ただ、グローバル版はイーサリアムで購入する形にするか、フィアットで購入する形にするかをまだ検討中で、まだ悩んでいます。もちろんこれはルールに沿った形で、できるだけ早く実現していきたいです。また地域によっては、ローカルパートナーとのアライアンスの形での海外展開も考えています。FiNANCiEをどんどん世界中に拡大していきたいです。

日本、そして世界でFiNANCiEを使ってみんなが夢を叶えられるチャンスを増やすために、僕はこれからも事業全体を見て推進していきたいと思っています。

(おわり)

ドリーム・シェアリング・サービス「FiNANCiE(フィナンシェ)」はこちら
https://financie.jp/

編集・撮影:大津賀新也

この記事の著者・インタビューイ

前田英樹

楽天のメディア事業部門にて、新規ソーシャルメディアの立上げ、infoseekの複数サービスやメディアサービスの企画・運営・開発をマネージャーとして推進。その後、株式会社モブキャストに入社。プラットフォーム事業、韓国子会社代表、ゲーム事業責任者を経て、2017年に取締役。2018年にフィナンシェへ参画。Co-founder COO。

楽天のメディア事業部門にて、新規ソーシャルメディアの立上げ、infoseekの複数サービスやメディアサービスの企画・運営・開発をマネージャーとして推進。その後、株式会社モブキャストに入社。プラットフォーム事業、韓国子会社代表、ゲーム事業責任者を経て、2017年に取締役。2018年にフィナンシェへ参画。Co-founder COO。

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