「FiNANCiE」は達成したい夢を持つユーザー(ヒーロー)がヒーローカードを発行でき、またそれを応援するユーザー(ファン)がそのヒーローカードを購入することができるファン・エコノミー時代のあたらしいコミュニティ・サービスだ。
ブロックチェーン技術も採用している、この次世代SNS「FiNANCiE」のオープンβ版公開にあわせ、gumiの代表取締役会長であり「FiNANCiE」の創設者である國光宏尚氏へのインタビューの第2回を公開!
→前回のインタビューや「FiNANCiE」の説明はこちらから
10年以内に人の仕事はAIに置き換わる
−前回、AIという働き手が働くようになり人は暇になる、という話がありましたが、人の仕事はAIに置き換わってしまうのでしょうか? どのくらいのスピード感で行われると思われますか?
現在の人がモノを作る労働をAIやロボット、ブロックチェーンがやってしまうようになるのは、10年もかからないと思います。自動運転車や、無人のコンビニ、人に信用スコアを付けて銀行が貸し出しをする、なんていうのももう出てきていますからね。工場も宅配も、介護や料理なども全部AI/ロボットがやるでしょう。
ソフトバンクの孫さんがもう手がけていますが、やっていることはとてもシンプルで、AIを使って人がやっていたところを全部置き換えているわけです。今までは1万人でやっていたものを、賢い10人+AIでやったらすごく儲かりますよね。これがUberの目標です。FacebookもGoogleもAmazonもAppleもみんなやろうとしています。ゴールはシンプルで、コスト削減です。これは10年以内には100%起こりますよ。
循環がAI時代の二極化を止める
−賢い10人とAIに仕事を奪われた1万人では当然格差が生まれるのではないのでしょうか? これは仕方のないことですか?
もちろん普通に今まで通りやると、二極化が激しくなります。今まで1万人に配られていた給料が、賢い10人×AIでよくなるので、その10人だけに配られる。だからその10人の給料は普通に考えて1000倍になります。そして1万人の仕事がなくなる。こういうことがあらゆる領域で起こってきて二極化は加速します。
じゃあどうするかっていうのは合理的な話じゃなくて、民主主義的な話になると思います。その時に仕事がなくなった1万人は賢くないから仕方がないで済ませるのか、10人がたまたま恩恵を受けられたと思って社会に返そうと再分配するかっていう話だと思うんですよね。もし10人がそれを行わなければ、二極化は進む。逆に所得再分配が起これば、1万人が働かなくてもいい世界になる。このどちらになるかは民主主義が決めることだと思います。
僕が考えるあるべき姿は、モノが増えてお金があっても幸せになるわけじゃないから、偶然にも時代と能力がマッチして成功できた人は、たまたま時代に乗り切れなかった人に還元するべきだし、還元される側の人は感謝してあげるべきだと思っています。
だいたいのことはAIがやるし、AIとかロボットとかブロックチェーンを使える、一部の人たちがそれを動かせばいい。結果、ほとんどの人の仕事時間は減り、時間ができる。その空いた時間で別の新しい財産が築けたら、その金を今度はAIを動かしている人たちに回せばいい。当然逆も然り。お互いにそれに対して感謝して、グルグル回るとよくなってくる。たまたま儲かった人が、たまたま儲からなかった人に回していけばいいんだと思います。
だからベーシックインカムには懐疑的ですね。ベーシックインカムって「お前らはバカだから、金出しておくから黙っておけ」って言っているようなもの。あれは選民主義だと思います。
AIができないこと、多様性こそ人間の価値
−AIに置き替わられた1万人は、空いた時間で何をすればいいと思われますか?
AIに仕事を奪われる、とよく言われますが、それは悲しいニュースではなくて、AIにできることはAIに任せておけばいい、ということです。生産性とか効率化とかはAIに任せて、それとは関係のないAIではできないところをやればいい。そこが人間の価値になるのだと思います。
そこで重要なのが多様性です。生産性については上げることが正解、ただそれだけです。車の燃費がとか車のスピードがとか工場の生産性がって、ここには答えがある。しかし、歌を歌う、音楽を聴く、踊りを踊る、詩を詠む、文学を書く、哲学、宗教……ここに正解はないんです。「俺はロックが好き」「俺はジャズが好き」「俺はボクシングが好き」「俺は相撲が好き」ここに正解もゴールもない。個人の好みでしかないですから。
この先の時代は、この答えのない個人の好み=多様性の時代になっていくと思います。この多様性というところに価値を感じるところが、人間の価値であり、AIなどとの違いだと思います。
もちろん突然明日から新しい時代が来るわけではありません。ここからの20年で起こることが、まずはじめの10年間でAIやロボットやブロックチェーンなどに置き換わって色濃くなっていく。その過程で暇になった人が出てくる。その中でモノを作る以外のところに価値観が生じる……こういった流れで、クロスオーバーしていくのではないでしょうか。
自分はなにが好きなの? それをやればいい
−生産性や効率化はAIが。人は多様性を追求してその次のステージへ進む。それがFiNANCiEでできるのでしょうか?
生産性とか、モノ作りの効率化とか、そういうのは放っておいても孫さんやGAFAがやってくれるでしょう(笑)、人がやっていたことをAIやロボットに置き換えたり、ビッグデータを収集したり活用したりして。
僕がやりたいことは、生産性がどうとかは関係なく、AIができないこと。自分は何が好きなの? それをやろうよってことです。もしやりたいことがわからなかったとしても、じゃあみんなで一緒になって見つけよう、みんなで叶えようよ、それができるのが「FiNANCiE」です。
多様性を追求して自己実現の時代へ
−これから先、どんな社会になっていけばいいと思われますか?
資本主義社会ですから、どうしても生産性革命だとか働き方改革だとかAIの導入で云々だとかって生産性の話ばかりになってしまいます。でも生産性は必ずコモディティ化するし、誰がやっても結局は同じなんですよ。だからそことは関係ないところが次の大きなテーマになってきます。
日本は島国なので、文化的に凝り固まっていると言われるけれど、そんなことはまったくなくて、むしろ最も多様性を受け入れてきた国だと思います。圧倒的に他を受け入れて、そのなかから新しいものを作ってきた民族だと。言語では、ひらがな・カタカナ・漢字と三種類もの表記を作り、宗教では、神道も仏教も信仰するような。
これからは「個」の時代に、自己実現の時代になっていきます。そのためには多様性の追求が不可欠であり、最大の強みになっていくと思います。
これ以上物質的に豊かになることが、本当の豊かな人生ではありませんよね。ひとりひとりが自分の好きなことが好きであること、それを追い続けることが、これからの時代の理想です。夢を持つことがチャンスをもらうきっかけとなり、一緒になってその夢を応援する。それが利益となっていく。モノやお金を追いかけるのではなく、夢を追いかけるような、希望のある社会になってほしいと思っています。
そして「FiNANCiE」でそういった社会の実現を進めていきたいと思っています。
(第3回に続く)
→第3回「新しい個人の夢や目標の達成を応援するプラットフォームを目指して〜「FiNANCiE(フィナンシェ)」創設者・國光宏尚氏インタビュー(3)」はこちら
←第1回「承認欲求から自己実現の時代へ〜「FiNANCiE(フィナンシェ)」創設者 國光宏尚氏インタビュー(1)」はこちら
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記事編集:深谷その子・設楽悠介(あたらしい経済)